【上級国民への忖度か】人2名の命の価値と飯塚幸三が背負う罪の償いについて【池袋暴走事故】
さあ、今日も戯れ言《
この記事は2019年4月25日が初アップだ
【引用――東池袋で車が暴走し10人の死傷者を出した事故で、娘の松永莉子ちゃん(3)と妻の松永真菜さん(31)を亡くした夫が24日に会見(AbemaTV/『AbemaNews』)】
多くの国民の憤りは頂点に達しようとしている。
それはもう、ネットでの炎上というありふれた表現では収まらない程に。
東池袋自動車暴走死傷事故とは
無職・飯塚幸三(87)――被害者遺族および世間大多数の心情を鑑みて、この記事において敬称は略――が4月19日12時25分ごろに起こした交通事故。
発生場所は東京都豊島区東池袋の交差点である。
加害者を除き死傷者は9人、うち死亡者名という大惨事であった。
飯塚幸三は赤信号を2回無視、(時速100キロなのに)ブレーキをかけた形跡がない事がドライブレコーダーの記録から判明している。警視庁によると、事故現場付近の左カーブの辺りで飯塚幸三の妻が「危ないよ、どうしたの」と声をあげ、飯塚幸三は「あー、どうしたんだろう」と応じた。直後に車道左側、金属製の柵に衝突する。車が停止した直後には「アクセルが戻らなくて、人をいっぱい轢いちゃった」と息子に電話していた。
なお、義務である筈の加害者による救護活動や119番通報は行われなかった模様。
しかも事件後、足の状態が悪く、運転に支障をきたしていたという事も判明する。
警視庁の調べでは車に不具合は見つからず、エアバッグは正常に作動していた。
ちなみに無職・飯塚幸三は元通商産業省の外局職員ほか、様々な役職を歴任し、勲章(瑞宝重光章)も受けている。その為、今回の事件で彼は「上級国民」と揶揄される事に。
警察は「逮捕しない」と宣言してしまう
死亡者が出ている事故なので、通例として現行犯逮捕されるケースが多い。
逮捕されないケースも存在するが、このケースは逮捕されるべきケースだろう。事実、同時期に起こった神戸バス交通事故では、運転手は現行犯逮捕された。容疑は飯塚幸三と同じ自動車運転処罰法違反(過失致死)。神戸バス運転手は速報で容疑者として全国ニュースになり実名がさらされた反面、逮捕されなかった飯塚幸三は、なんと「さん付け」で報道されてしまったのだ。
事故当初は足のケガ(軽傷)で入院らしかったが、いつの間にか「胸骨骨折」に変更されている。しかも「軽傷、重症、重体、意識不明」という明記ではなく、大怪我というぼかした表現。色々とお察しだ。重症以上ならば息子に電話なんて無理だし。
年齢および怪我を考慮、逃走や証拠隠滅のおそれがない為に(退院後も)逮捕せず――と警察は述べているが、死亡事故を起こした高齢ドライバーで逮捕されているケースは多いし、前途した神戸バスの運転手は逃走や証拠隠滅どころか、ちゃんと救護活動を行っていた。
警視庁は飯塚幸三の回復を待ち、任意で事情聴取をすると発表してしまう。いや、ちょっと待て、事故直後に飯塚幸三は息子に電話可能だった筈。ンなの、今すぐできるだろ。
人命を奪ってしまった場合、過失であっても現行犯逮捕されるケースが多いのに、今回はまるで警察やマスコミが飯塚幸三(容疑者と書けない状況)に、色々と忖度したのでは? と世間が勘ぐって、結果、大炎上してしまう。
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被害者の夫が異例の記者会見
交通事故としては異例中の異例だ。
飯塚幸三への警察の扱いが更に異例だから、その煽りを食ったかたちである。
この記者会見でも、マスコミの忖度が炸裂してしまう。
生放送(ライブ)ではなく、都合の悪い箇所をカットしてしまったのだ。
しかし、AbemaTVの『AbemaNews』は違っていた。
その一部を抜粋して引用しよう。
「まず最初に、事故現場の献花台に溢れるほどの花を手向けてくださった皆様、妻と娘に寄り添い心を痛めてくださっている皆様の温かい心に、本当に感謝しています」
「最愛の妻と娘を突然失い、ただただ涙することしかできず、絶望しています。娘がこの先どんどん成長し、大人になり、妻と私の元を離れ、妻と寿命尽きるまで一緒にいる。そう信じていましたが、たった一瞬で私たちの未来は奪われてしまいました。悔しくて悔しくて仕方がありません。この悔しさはどれだけ時間が経っても消えないでしょう」
「妻と娘は本当に優しく、人を恨むような性格ではありませんでした。私も2人を尊重し、本来ならばそうしたいです。ですが、私の最愛の2人の命を奪ったという、その罪を償ってほしいです。この数日間、何度もこの先生きていく意味があるのかと自問自答しました。しかし同時に、今回の事故での妻と娘のような被害者と私のような悲しむ遺族を今後絶対に出してはいけないとも思いました。そのために、私は妻と娘の画像を公開することを決断しました。妻はとても恥ずかしがり屋で、Facebookなどで顔を公開することもないような控えめな性格でした。そのため苦渋の決断でした」
この「(相応の)罪を償ってほしい」というフレーズ。
多くのマスコミはカットしていた。これが日本の報道の現実だ。
今回、隠そうとしたフレーズが知れ渡ってしまうと「遺族も寛大な処置を求めている」という建前での不起訴が使えなくなるからだろう。クソ過ぎである。
そもそも国内で報道規制を敷いたところで、海外のメディアにはいずれバレるのだから、こんな真似をしたところで日本マスコミの信用が落ちるだけだ。
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失われた尊い命の対価と責任
今回の事件に対し、国民は疑っている。
結局、逮捕はなしで聴取も任意のみ。最終的には不起訴(または略式起訴)で、書類送検の末、罰金刑(あるいは執行猶予)でお茶を濁されるのではと。
法の下の平等とは一体――
こうなってくると感情論として国民は飯塚幸三の実刑を望む。まあ、実際にこのケースで実刑にならないって、色々と理不尽にも程がある。普通に実刑だとは思っている。119通報と救護活動すらしていないのだ。悪質極まりない。
それにしても警察の対応は完全に失敗だった。
勲章持ちに逮捕歴を付けたくないのかもしれないが、下手に小細工せず、普通に現行犯逮捕しておけば、ここまで炎上しなかったのに。この未曾有の炎上で、本人は殺人鬼、勲章は「マーダーライセンス」と揶揄される始末(このままだと、勲章の価値も地に落ちる)だし、飯塚一族は「悪の象徴として」日本中のヘイトを集めてしまった。
息子はともかく、孫やひ孫だと飯塚幸三の血族と周囲にバレた時には、どんな陰惨な扱いを受けるか分かったものではない。なお、同姓同名の飯塚幸三さんは(人を轢き殺していないのに)とばっちりもいいところだ。飯塚性の方々も。
加えるのならば、逮捕には「加害者の自殺防止の意味」もあるので、飯塚幸三が人並の良識を持っている場合、自殺の危険性があるので、やはり逮捕するべきだろう。
保険屋や弁護士から「迂闊に被害者側と接触するな」と釘を刺されているかもしれないが、ここまで事態が炎上してしまった以上、飯塚サイドは(弁護士を通じ)形式だけでも謝罪の意を表明しないと、国民感情を逆なでする一方である。
僕は今回の件で、高齢者の自動車運転反対や免許返納云々を主張する気はない。
哀しい交通事故はこの件だけではないからだ。
けれども――この件だけの事がある。
国民は決して忘れたり、風化させてはならない事が。
喪われた母子の命の責任(落とし前)だけは、飯塚一族総出でキッチリつけて欲しいと願う。
じゃないと、医療関係者やレスキューといった「命を救う為に、命や人生を掛けている」人達にだって申し訳ないだろう。貴方達が頑張って救おうとしている命というモノは、勲章持ちの爺さんが暴走車で轢き殺しても、罪に問われない程度の価値なのです、となってしまうのだから。
日本社会において最も価値の軽いものが人命、なんてオチは勘弁である。
追記)
5月31日、毎日新聞より――
飯塚元院長に免許取り消し処分 意見聴取は「足が悪い」と欠席 池袋暴走
東京・池袋で暴走した乗用車に母子がはねられて死亡した事故で、東京都公安委員会は31日、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)の運転免許取り消し処分を決定した。
警視庁によると、同日午前、違反について本人の意見を聞く「意見の聴取」が東京都内であったが、飯塚元院長は足が悪いとして欠席した。本人か代理人による手続きを経て、取り消し処分が執行される。道路交通法に基づく措置。
6月14日(金)、J-CASTニュースより――
池袋暴走「元院長」、送検されたら「容疑者」に? 各社報道から読み解く「呼称の行方」
東京・池袋で車が暴走して母子2人が死亡した事故で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)が事故現場に立ち会い、警視庁による実況見分が行われた。一部メディアは「容疑者」呼称で報じたが、「元院長」とした社が多かった。逮捕はされておらず、任意での捜査が続いている。
事故後には「逮捕されないのは元幹部官僚だからか」「なぜメディアは容疑者と表記しないのか」などと注目を集め、「上級国民」という言葉も話題となった。今回の実況見分を受け、「飯塚元院長を書類送検へ」(産経ニュース)との報道も出ているが、送検された後はメディアは「元院長」の呼称を「容疑者」に変更するのだろうか。
再追記)
翌年2月7日、スポーツ報知より――
玉川徹氏、池袋暴走事故で飯塚被告の在宅起訴に「年齢を考慮して執行猶予になったとしたら、これは納得できない」
7日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)で東京・池袋で乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡した事故で、運転していた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(88)が在宅起訴されたことを報じた。
起訴を受け、真菜さんの夫(33)が記者会見し「なぜ2人は命を奪われなければならなかったのか、真実が知りたい」と語った。番組では在宅起訴にネット上で批判の声など様々な意見が出ている事を報じ、さらに法律の専門家が判決について「年齢を考慮して執行猶予」の可能性もあるとの解説を伝えた。
コメンテーターで同局の玉川徹氏は、在宅起訴へのネット上での批判に「在宅で起訴することはそんなに珍しい事ではないので」とした一方で「それよりも年齢を考慮して執行猶予になったとしたら、これは納得できないことだと思います」と指摘した。
その理由を「免許は、もし事故を起こしたら禁錮とか懲役になりますよという前提のもとで免許が与えられているわけですよね。それなのに事故を起こしてしまえば、年齢を理由に執行猶予になっちゃうっていうのは、じゃぁ、その年齢だったらはじめから免許与えるなよっていう話しになっちゃいますよ」などとコメントした。