【ネタバレ注意】本格SFアニメ『もめんたりー・リリィ』を説明するよ!
さあ、今日も戯れ言《
この記事は2025年3月19日が初アップだ
【引用元――もめんたりー・リリィ(原作:GoHands × 松竹、製作:もめんたりー・リリィ製作委員会)より抜粋】
意外にも本格SFだった美少女アニメ
とりあえずアニメ本編を視聴してから、この記事を読んで欲しい。
もしくは当記事により「仕掛けを理解」してから、その伏線を楽しむのもアリと言えばアリな作品だと思う。舞台背景はシンプルで分かり易い部類だったが、その背景と謎を含めて楽しむ為には、視聴者に「一定以上の」理解力(リテラシー)が要求されている。
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提示された舞台
《ワイルドハント》という未知の機械生命体の来襲により、人類のほとんどが消滅させられてしまった。しかし同時期に「ラット君」と、ひなげしが名付けた小型ロボットが無尽蔵に出現しており、インフラ等の環境を保持してくれている。
上記の《ワイルドハント》に対抗できるのは、《ワイルドハント》から偶然にもドロップした特殊武器――命名《アンドヴァリ》を使う者達である。
《アンドヴァリ》を所持する5人の少女たちはチームを組み、《ワイルドハント》を退けながら無人の街をサバイバルしていた。最悪で自分たち以外の人類は全て消滅してしまったかもしれないと。
- 河津 ゆり:ティルフィング
- 高台寺 えりか:ミズガルズ
- 薄墨 ひなげし:グレイプニル
- 吉野 さざんか:グングニル
- 咲耶 あやめ:スルト
この5人と、「記憶をなくし」た少女、霞 れんげが出逢う。
れんげは強力な「無銘の《アンドヴァリ》」を所持していた――
オマケでキャラ設定を簡潔に示すと。
○ゆり「どんどんどーん」なリーダー格
○えりか「お姉ちゃんの知恵袋! いいわよいいわよ~」
○ひなげし「バフ、デバフ(他ゲーム用語)」
○さざんか「マジやばい! 四字熟語のギャル口調」
○あやめ「ギルティ!」オタク気質な委員長キャラ
○れんげ「コミュ障なんです、かっぽー!」
以降の記述にはネタバレを含むので注意
宇宙で起っていた数多の惑星実験
まず「第11話にて《ヤバたん》と仮称した」超銀河知的生命体文明が存在している。
科学技術(文明)レベルとしては
超宇宙>超銀河(ヤバたん)>銀河系内>太陽系内>惑星外>惑星内(地球人類)
で、《ヤバたん》は複数の銀河に渡り、惑星実験を行っていた。
①各惑星にて「テーマを持った」実験
②地球もそのターゲットの1つに
③《ヤバたん》に種絶滅もしくは文明壊滅の危機
④アフターフォローができなくなるので、緊急実験停止命令
⑤その命令は最重要レベルで、実験再開の可能性は低い
⑥一定時間経過しても再開命令なし=《ヤバたん》壊滅
こんな感じの流れで、《ヤバたん》は種として絶滅してしまったか、あるいは再起不能レベルで文明が壊滅してしまった。仮に復活するにしても、相当な時間を要するだろうし、過去の惑星実験をどうこうという流れにもならない。
地球で行われた惑星実験
《ヤバたん》がこの地球の惑星実験にて設定したテーマ。
現時点での地球文明から「知的生命体=人類」のみを消去して、その文明を維持、もしくは環境変化させたらどうなるのか? である。新しい知的生命体が誕生するのか、再びホモサピエンスの亜種が誕生するのか。それらが旧人類文明をどの様に活用するのか。
仮に「真っ当に」人類が滅亡した場合、数百年~数万年で文明の痕跡も消えてしまう。文明維持のまま人類が消えたら、という「通常では起こりえない」未来は、惑星実験として見ると面白い観点だと思う。
①秘密拠点を設置
・《ワイルドハント》が襲ってこない設定
②そこにサンプル用人間を保存
③同時に《ワイルドハント》サポート用としてコピーを造る
・コピーはサンプル用人間の複製
・コピーは人間(オリジナル)より優れた身体能力を有す
・コピーは発動命令を受信するまで自身をコピーと無自覚
・コピーはオリジナルの同一自我と記憶を有す
・コピーは《アンドヴァリ》を所持する
④オリジナルにコピーがすり替わる
・命令を受信すると反乱開始して《ワイルドハント》と合流
⑤この時点で《ヤバたん》の緊急実験停止命令
・ただし起動待機中の命令までは止まらなかった模様
⑥《ワイルドハント》が起動して人類消去を開始
・実験停止命令により司令系統の情報共有に不備
・近接している《ワイルドハント》との連携は可能
・ノーマル(オーガ)<ゴリアテ<バロール の強さ順
・停止命令が出ているので現存機より増加しない
⑦「ラット君」もインフラ保持の為に起動
⑧コピーは自身をオリジナルだと思ったまま行動継続
・《アンドヴァリ》は偶然ドロップして入手したと誤解
・実験再開の可能性はゼロに等しいので人の自我のまま
・従って人間として《ワイルドハント》と敵対、戦闘
⑨極一部のサンプル用人間が目覚める(原因不明)
時系列はこんな感じで間違いない筈。
人数的にはこうだ。
《ワイルドハント》に消去された人間>>>>>>生存して避難・潜伏している人間>>>>サンプル用人間>《ワイルドハント》相手に戦死したコピー>生存しているコピー
隠されていた「れんげの足跡」と秘密
れんげに関しては、こうなっていた。
①コピーれんげ、《ワイルドハント》相手に戦死
すずらん(妹)、れんげを埋葬
②目覚めたオリジナルれんげ、コピーねりねと旅をする
・ねりねは親友のゆり(はぐれた)を探していた
③コピーねりね戦死
④人間であるれんげ、ねりねから《アンドヴァリ》を継承
その副作用で記憶喪失(ねりねの記憶がフラッシュバック)
身体の性質も造り替わっていく(内側から崩壊も)
⑤記憶喪失状態のまま、ゆり達コピー5人と出逢い、仲間に
⑥コピーゆり戦死
ゆりの《アンドヴァリ》が合体し、その名前も継承
⑦妹すずらんと再会「前と武器が違うんだね」
⑧オリジナルゆり達と秘密拠点で合流
すずらんがれんげに言った「前と武器が違う」が、《ティルフィング》が合体して形状が変化した、と初見の視聴者はミスリードされるが、実はコピーれんげの《アンドヴァリ》は全くの別物だったという。
10話まで、れんげが《ワイルドハント》側の存在だとミスリードしておいて、本当は他の仲間達が《ワイルドハント》側で、れんげが人間だったのも見事である。
主人公は「れんげ」である
【引用元――もめんたりー・リリィ(原作:GoHands × 松竹、製作:もめんたりー・リリィ製作委員会)より抜粋】
ゆりはミスリード役のフェイク主人公だ。
極一部に「主人公はゆりで、れんげは語り部」と誤解している者もいるが。
公式のあらすじが以下。
ある日、空から機械仕掛けの侵略者“ワイルドハント”が現れ、あらゆる生命体を消滅させた。荒廃した無人都市を放浪する、記憶を失った少女「れんげ」。彼女は侵略者に対抗するための、ある大きな“力”を有していた。街を彷徨う中、れんげは自分と同じ“力”を持つ5人の少女と出会う。出会った仲間たちと日々過ごす中、日常を突如壊す侵略者と命がけで戦っていく。やがて世界の謎を追いかける中で、僅かに残った人類や家族たちと再会した時、れんげは大きな謎に直面する。そして自身の持つ”力”にまつわる、大きな謎に迫っていく。
YouTubeで公式からアップされているフェイクOP
【引用元――もめんたりー・リリィ(原作:GoHands × 松竹、製作:もめんたりー・リリィ製作委員会)より抜粋】
コピーゆり死亡後の「本当のOP」映像
【引用元――もめんたりー・リリィ(原作:GoHands × 松竹、製作:もめんたりー・リリィ製作委員会)より抜粋】
OP映像の変化だけでも、普通に主人公がれんげと分かりそうなものだが。
タイトルの『もめんたりー・リリィ』だが、「モメンタリー・ゆり(束の間の「ゆり」=2話ラストで死亡)という意味と「メメントモリー・ゆり(「ゆり」の死を想え、忘れるな)」というダブルミーニングになっていた。