僕は【戯れ記事《ゴト》遣い】

「戯れ言遣い」ならぬ「戯れ記事遣い」を名乗るブロガーです。 雑記系ですが、読んで損したと憤慨されても困ります。 だってコレは「戯れ言」だから――

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 — 最 新 記 事 —

【モンスター】戯れ言――井上尚弥がドネアを2回KO、日本史上初の世界3団体統一王座【WBAスーパー&WBC&IBFバンタム級】

【モンスター】井上尚弥がドネアを2回KO、日本史上初の世界3団体統一王座【WBAスーパー&WBC&IBFバンタム級】

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さあ、戯れ言 記事 ゴト を始めようか――

 

停滞していたキャリアが再始動

“モンスター”井上尚弥のキャリア(世界的な評価)は、正直いって2年7ヵ月前から止まっていた。死闘――ドラマ・イン・サイタマと呼ばれた伝説の一戦。感動を呼ぶ濃密な戦い。しかし“モンスター”としての評価(歩み)はそこで足踏みを強いられ、以降の3戦は格下相手に無為な時間を過ごしているだけの様に思えた。だが、レジェンド級のキャリアを誇るドネアを完璧に屠った事により、ロドリゲス戦までの勢いを確かに取り戻し、そして「次のステージ」への真価(進化)を示して見せた――

 

6月7日

会場:さいたまスーパーアリーナ

3団体統一世界バンタム級タイトルマッチ

TKO2回1分24秒

 勝利 WBA(S)・IBF統一王者

    井上尚弥(29=大橋)

    戦績:23勝(20KO)無敗

      VS

 敗北 WBC王者

    ノニト・ドネア(39=比)

    戦績:42勝(29KO)7敗

 ※)井上はWBAはV7、IBFはV5、WBC王座を獲得

 

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完璧な試合運びだった

初戦については以下の記事を参照。

◆合わせて読みたい◆

 

初戦とは違い、ドネアの都合に一切付き合わなったと言えよう。

ドネアの動きは悪くなかった。切れていたし、スピーディーだったと思う。けれどもスピード差がある井上に対して、バカ正直にボクシングするのは愚策だった様な。

僕がドネア陣営のブレーンだったのならば、体重の戻しを第1戦よりも取ってスピードを度外視する。ガードを固めて、頭からでいいので、とにかく不格好でも構わないからクロスレンジに押し込む。相撲スタイルでロープまで揉み合え。反則スレスレのクリンチでもオーケーだ。井上のボディブローは耐えるしかない。中間距離から綺麗にプレスを試みたって、相手が付き合ってくれる筈がないではないか。

 

対する井上はファーストダウンを奪うまで、徹底的にリング中央を意識した試合運びに徹していた。距離を保って絶対にロープを背負わない、というファイトプランだ。戦前はヒット&ランでいくのかと予想していたファンや識者も多かったが、絶妙なカウンターをちらつかせつつ、退きもしなければ、クロスレンジにも入らせないという完璧なポジショニングだった。その上で逆にプレスもかけていく。

 

ドネアとしては井上の左に右クロスを被せてジャブを出し難くする。その上でのカウンターの左フック狙い、だったのだろう。けれどドネア自身も後ろ脚荷重での出入りを多用し、被弾を覚悟の上でガードを固めて強引に行けなかった。ひょっとしてダルチニアン1戦目でのカウンターを再現したかったのかも。

 

ドネアの左フックも当たるには当たったが、違う、そうじゃないと強く感じた。

その距離とテンポで打ったところで井上には丸見えで、もっと接近した状況かつ手数がヒートアップした中で「不意を突くタイミング」で打たないと。

う~~ん、ドネアに対しスピードとスキルに勝る井上相手に、どうしてまともに中間距離ベースでボックスするのか意味不明だ。井上の土俵で戦う神経が僕には分からなった。

 

ドネアの綺麗な戦い方に対し、井上は余裕がある。

思いっきり想定内なんだろうなぁ。第1戦のデータを有効に活かして対策を取ったのは井上であり、第1戦の経験が裏目に出ているのがドネアであった。

 

――で、ラウンド終了間際。

 

 

井上が左ジャブの初動を囮に、そのフェイントに引っかかったドネアが右クロスを被せにいく――打ち始めのタイミングで、右ショートフックをテンプルに叩き込む神速のカウンターが炸裂。

仮に失敗に終わっても、井上はしっかりと相手を見てヘッドムーブしている。過去3戦よりもオンガードを意識していたし、隙はなかった。

 

このダウンで勝負あった

 

ドネアは完璧に足にきていたし、パンチはまだ生きていたとはいっても、逆転KOできるだけの威力はない様に映った。

 

井上はプレッシャーをかけてドネアを下がらせ、好き放題に打ちまくっていた。仕留めにいく際のモンスターのプレスとパンチは本当に強い。鬼強だ。

1度だけドネアが井上をロープに詰める場面があったのだが、グロッキーのドネアにそこからの展開はなく、左フックで弾き返されて万事休すだ。

そこから先は下のフィニッシュに一直線である。

 

 

ディパエン(ケンナコーン)戦とは、本当に別人そのもののモンスターだった。

この試合の井上のパンチだったならば、ディパエンは1Rで沈んでいたに違いない。前の試合の井上のパンチ力のなさから、この試合の凶悪なハードパンチを予想できた者は皆無だったのでは?

ドネアは明かに選択肢をミスったと思うが、仮にベストなリカバリー(当日体重)および最適な戦略を採ったとしても勝つ事は無理だ—―という程の差があった。

 

毎試合この試合の仕上がりとモチベーションでリングに上がれる筈はないが、この試合のモンスターならば、Sバンタム級までならば無双すると思う。

 

個人的な感想だが、バンタム級オールタイムでナンバーワンであろう。

 

◆合わせて読みたい◆

PFP1位が濃厚

ドネア相手にこの勝ち方だといけると思う。

クロフォードがスペンスjr相手に超凄い勝ち方をしてウェルター級4団体制覇(Sライト級と合わせて2階級で4団体制覇)すれば、1位に抜き返されるかもしれないが。

 

マクドネル:減量失敗の半病人

パヤノ:再現は無理な勝ち方

ロドリゲス:ちょっと危ない場面も

 

衝撃KO3連発も、振り返ってみると極僅かだが疑問符は存在している。けれどもこの夜のモンスターに関しては、対戦相手の質も含めて疑問を挟む余地が1ミクロンたりとも存在しない。パーフェクト・オブ・パーフェクト。

この試合にケチをつける者は、それはボクシングファンではなく、単なるアンチだ。

ただただ純粋に称賛するべき試合。

 

この夜の井上尚弥(モンスター)は「今後100年、世界でボクシングが続く限り伝説として語り継がれる1戦の1つ」に昇華した。

 

次戦はWBO王者バトラーとの4団体統一戦が濃厚との事であるが、その試合の後に待ち受けているSバンタムでの戦いを心待ちにしたいと思う。

6月11日、最新ランキングでついに1位へ

<ザ・リング選定のPFPランキング>

<1>井上尚弥(日本)

<2>オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)

<3>テレンス・クロフォード(米国)

<4>エロール・スペンスJr.(米国)

<5>ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

<6>サウル・アルバレス(メキシコ)

<7>ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

<8>ドミトリー・ビボル(ロシア)

<9>ジョシュ・テイラー(英国)

<10>ジャーメル・チャーロ(米国)

 

 

◆ザ・リング 米国で1922年の創刊当初からボクシングを基本線に扱う月刊専門誌。毎月、独自の基準でランキングを選定し、最も歴史と権威ある雑誌とされ「ボクシングのバイブル(聖書)」と呼ばれる。同誌編集委員会に各国記者らを加えた構成で毎月独自に各階級とパウンド・フォー・パウンドのランキングを世界10位まで発表。設立当初から独自認定した王者にベルトも授与し、02年より本格的に各階級ごとにもベルト授与している。また年間最優秀選手などの表彰も行っている。

 

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