【モンスター】井上尚弥がTJ・ドヘニーを7回TKO、4団体統一王座V2【Sバンタム級】
さあ、戯れ言《
まさかの「ぎっくり腰」TKO
“モンスター”井上尚弥が、曲者のドヘニーを迎えての4団体統一王座2度目の防衛戦。水抜き減量が得意で、今回も11キロほど大幅にリカバリーしてきた強打者相手に、井上はやや攻めあぐねている印象も。実際、上半身がデカく懐が深いドヘニーに、上へのパンチは効かせられなかった。しかし試合運び自体は盤石をキープ。危ない場面は皆無で、かつ6ラウンド終盤からはエンジンがかかってきた雰囲気である。しかし、その6ラウンドにドヘニーは不自然に腰を気にし始めて、7ラウンド開始早々、腰の激痛で棄権してしまった。
9月3日
会場:東京・有明アリーナ
4団体統一世界Sバンタム級タイトルマッチ
TKO7回0分16秒
勝利 4団体統一王者
井上尚弥(31=大橋)
戦績:28勝(25KO)無敗
VS
敗北 WBO2位
TJ・ドヘニー(37=アイルランド)
戦績:26勝(20KO)5敗
※)井上はWBC/WBOはV3、WBA/IBFはV2
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世界戦で日本人最多勝利記録を更新
並んでいた井岡一翔の22勝を超えての23勝21KO無敗。
これで歴代で単独1位である。
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非常に慎重、かつ静かでスキルフルな攻防
挑戦者のドヘニーにしてみれば、序盤にビッグパンチを決めて試合の優位を決定付けたいのだが、井上がそうはさせなかった。とにかく慎重に試合を進める。
対するドヘニーは強引にいかない。
否、いけなかったのだろう。
こちらも普段よりも慎重というか、後傾姿勢と時おり半身になる柔らかい上半身のアクションで、井上にクリーンヒットを許さない。単発で良い左ボディが決まるくらいで、ドヘニーのダメージは浅いまま。井上はノーダメージであるが。
とにかく、細かい駆け引きとフェイントを交えての、互いの探り合いが続いていく。
パワーと耐久力、馬力はドヘニーに分があり、スピードと回転力とディフェンスは圧倒的に井上という印象であった。
ドヘニー、第6ラウンドに腰を痛めてしまう(泣
6ラウンド終了間際に、ドヘニーが半身になった際に背中側へ入った井上のパンチが――みたいな話もあるが、別アングルだとそのパンチは直撃しておらず掠った程度だ。音は派手だが、物理的に威力は分散しており、その一撃が故障の決定打ではないだろう。
その前から、ちょっとドヘニーの動きが変である。
BOXINGニュースに載っていた談からしても「パンチを打った際に腰やっちゃった」という線が濃厚だ。まあ、普段はやらない上半身の動きをやり過ぎだし、半身になる動きはともかく、あの不自然な後傾の構え(というか動き)は、普段からやっていなければ途中で腰を痛めても仕方がないだろう。あれ、腰への負担が凄いって。
パンチが効いている感じは少なかったが、それでもワンサイドの展開だった。距離感を掴んだ井上も本格的にギアアップする寸前である。雰囲気としては、10ラウンドか11ラウンドにストップを呼び込めそうだとは思った。
ただ、デカイだけあってドヘニーの耐久力は流石であったと思う。腰やっちゃったら、耐久力もへったくれもないが。ぶっちゃけ井上の敵ではなかった。
フィニッシュこそ拍子抜けであったが、井上のパーフェクトゲームである。
次こそグッドマン? それとも――
個人的には、先にMJとやって欲しいかな。
グッドマンとMJを片付けたら、誰がいいかなぁ?
11キロ戻したドヘニーも凄いが、実は井上も7キロ以上リカバリーしていた。最後の2キロは水抜きで落としたとの事だ。いい身体していた。フレームの小ささはともかく、筋量アップには成功している。ただ明らかにドヘニーより上半身が小さく、馬力では後塵を拝していたので、フェザーへの昇級は焦るべきではないだろう。