【モンスター】井上尚弥がタパレスを10回KO、2階級4団体制覇達成【Sバンタム級】
さあ、戯れ言《
衝撃のKO劇
“モンスター”井上尚弥の栄光のキャリアにまた1つ、金字塔が打ち立てられた。戦前の予想を裏切らない圧勝劇だ。4回に奪ったダウンの後、5回に仕留められなかったのは残念である。しかしタパレスのダメージの蓄積および彼が多くの場面で過度に半身になってしまっていたが故に、ついにテンプルに右ストレートをぶち込まれて、10回に崩れ落ちた。手こずった印象だが決して苦戦ではない、そんな戦慄的なKO勝利だった。
12月26日
会場:有明アリーナ
4団体統一世界Sバンタム級タイトルマッチ
KO10回1分25秒
勝利 WBC・WBO2団体統一王者
井上尚弥(30=大橋)
戦績:26勝(23KO)無敗
VS
敗北 WBA・IBF2団体統一王者
マーロン・タパレス(31=比)
戦績:37勝(19KO)4敗
※)井上は2階級で4団体制覇を達成
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内容的には完勝かつ圧勝
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スタッツを見れば瞭然である。
ぶっちゃけ、フルトンの方がデータ上は健闘していたりする。
超ビビリでぺっぴり腰だったけれど(苦笑
けれども、カシメロもそうだが、フィリピンボクサーの後傾に構えての腕力ブンブン強打スタイルは、実際に相対するとかなりやり難いのだろう。データ上はフルトンの方が良いのだが、印象としてはタパレスの方が巧く戦っていた。
理由はダメージングブローを避けるポジショニング、そして時折よいタイミングで放っていた右オーバーハンドフックと、変則気味(主に井上から見て死角になる身体の軸角度)の右アッパーが光っていたから。
井上尚弥攻略の鍵は、今日のタパレス+更に上のフィジカル+1発で倒せるアッパーの使い手、といった感じだと思う。実際、危な気はなかったけれど、もっとアッパーが巧くて更にパンチある相手だったら「もしかしたら」って試合内容だった。
手こずったな、という印象は否定できない
相手、タパレスだからね。
こう言ってしまっては悪いが、今日の相手がフルトンだったのならば大絶賛だったに違いない。確かに圧勝といえば圧勝だが、倒すのに10ラウンドを要している。井上尚弥自身は2024年と2025年は適正階級であるSバンタムに留まると勝利者インタビューで言っていたので、フェザーに上げる際は慎重に慎重を重ねるだろう。
KOパンチは、ロープ際に追い込む前の右ストレート。
綺麗にテンプルに入ってしまっている。
結果は文句なしだが、PFPでの評価が上がるのか否かはちょっと分からない。繰り返すけれど、相手がタパレスだから。
評価を下げたという解釈よりも、この試合で上の階級への限界およびモンスター攻略のヒントを、これから戦うライバル達に与えてしまった様な。
それからタパレスはボディは効いていたらしいが、上へのパンチは中盤からフィニッシュまで、(慣れと学習もあって)想定内のダメージしか与えられていなかった(タパレス談
まあ、最後のテンプルへの一撃は、ダメージの蓄積云々関係ないパンチだろう。かなり運の要素が味方した実質ワンパンチKOではなかろうか。
タパレスが井上に対して面食らったのはパワーではなく、スピード、と試合後にマスコミに答えていた様に、Sバンタムからはパワーよりもスピードを重視した戦い方になる。フルトンとタパレス共に強打者ではない。Sバンタムやフェザー以上の強打者あるいは超強打者を相手にすると、たぶんパワー負けする。
4ラウンドのダウンで深刻なダメージを与えられていたのに、タパレスは前に出て「力づく」で盛り返してしまった。この試合は後に振り返ると分水嶺になる可能性も。
4本のベルトの防衛ロードが始まる
これで世界戦21勝19KO無敗。
ルイス・ネリという名前こそ避けたが、来年の5月にネリと試合をする交渉に入る模様。場所は日本か、噂されているサウジアラビアか。
順番的には――
①WBC指名のネリ
②IBF指名かつWBO1位のグッドマン
③WBA指名のMJ
ここまでは確定的かな。
4団体統一王座の防衛戦という事でIBF以外は融通を利かせてくれる筈。
Sバンタムに留まる限りは敗けるイメージがないので、来年と再来年は安心して井上尚弥の試合を見守れるかな。正直いって、そろそろ1回くらいダウンする姿を見てみたいって禁断の欲求も湧いてきているが。