【モンスター】井上尚弥がフルトンを8回TKO、4階級制覇達成【WBC・WBO統一Sバンタム級】
さあ、戯れ言《
難敵フルトンをKO葬
“モンスター”井上尚弥のキャリア(世界的な評価)にとって、これほど意味のある勝利はフェザー級以下では存在しないだろう。対戦相手であるフルトンは間違いなく一級品のチャンプで、過去、日本人が対戦したSバンタムの王者の中では、全盛期リゴンドーに次ぐレベルだと思う。試合内容もハイレベルで、井上は過去最高のパフォーマンスを披露した。そして「伝説の選手」の仲間入りを果たしたと思う。
7月25日
会場:有明アリーナ
WBC・WBO統一世界Sバンタム級タイトルマッチ
TKO8回1分14秒
勝利 2団体同級1位
井上尚弥(30=大橋)
戦績:25勝(22KO)無敗
VS
敗北 2団体統一王者
スティーブン・フルトン(29=米)
戦績:21勝(8KO)1敗
※)井上は4階級制覇を達成
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全てKO奪取での4階級制覇
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MÁQUINA DE DESTRUCCIÓN 👹🇯🇵@NaoyaInoue_410 x #FultonInoue pic.twitter.com/cELFBjKAPD
— Top Rank en Español (@trboxeo) July 25, 2023
無敗のまま4階級制覇を達成したボクサーは
・フロイド・メイウェザー(5階級制覇、無敗で引退)
・オスカー・デラホーヤ(敗戦後に5階級⇒6階級制覇)
・ローマン・ゴンザレス(後に敗戦)
・マイキー・ガルシア(後に敗戦)
・井上尚弥(達成直後)
そして4階級全てをKO奪取したのは初の偉業だ。
世界戦20連勝18KOでKO率90パーセントは、驚異的な数字となっている。
試合展開を振り返る
左の差し合いからスタートするが、井上は意表を突いて「フルトンと同じL字ガード(フィリーシェル)」でのコンタクトを選択した。大きくスタンスを前後に広げて井上の踏み込みを阻もうとするフルトンを嘲笑うかの様に、井上もスタンスを広げて、どっしりと構える。
普段とは違うフリッカー気味の井上のジャブは、フルトンのジャブよりも明らかに速く、それだけでフルトンは何も出来なくなっていた。
井上のL字は想定外だったのだろう。
技術戦に応じるフルトンだったが、左の差し合いと駆け引きで後塵を拝し、至近距離での打ち合いやクリンチワークにもっていけない。ペースメイクできない状態から無理に身体を寄せても、井上のクリンチ、ホールド、揉み合い対策はバッチリだった。
スピードで井上が上回り、リードブローでリズムを作れないフルトンは、上手くディフェンシブに攻防できても、後手後手後手後手――で完全に井上ペース。
1Rから5Rまで、井上がポイントをピックアップ。
要所要所でいいボディストレートや、L字からのボディジャブがフルトンを刻む。
フルトンも打ち終わりにパンチをリターンする。決して防戦一方ではなかった。
ハイレベルな攻防だが、井上が上だ、
6Rで、ようやくフルトンが井上の動きに慣れてきた印象。
けれども明らかにパワーレス。接近しての打ち合いにもっていけない。この試合でハッキリと分かったのだが、やはり今までのフルトンの試合、打ち合いに巻き込まれたのではなく、フルトンから打ち合いに行っていたのだろう。
7R――ようやくフルトンが明白にポイントを取ったが、それは井上が蒔いた餌であり罠であり戦略だった。
ポイント的にここから前に出るしかなくなったフルトンだが、前のラウンドと同じ感覚で戦うフルトンに対し、井上はL字からのボディジャブで意識を逸らし、上(頭部)に鮮やかな右ストレートを一閃。それで実質は勝負ありだ。
実は頭部への深く入ったダメージングブローは、試合を通じてその一発のみ。
しかし、その一撃をシナリオ通りに見事に決めた。
今までの対戦相手でフルトンは前評判通りに最強――というハイレベルな試合内容だっただけに、余計、井上の凄さが浮き彫りになったと言えよう。
もう疑うものは何もない、井上尚弥は全てを証明した
フルトン相手にこの勝ち方なら満額回答だと思う。
Sバンダム現役最強は当たり前だ。
キャッチウェートでロマチェンコなら面白いかもしれない。シャクールとエニスは階級が違い過ぎるし。個人的にはフェザー級以下で、オールタイム最強、で評価を固めて問題なし。
このフルトン戦で「井上尚弥は真の本物」だと証明した。
世界的な評価と商品価値が跳ね上がった。
35歳まで残り12戦として、37戦37勝34KO無敗で引退して欲しい。
Sバンタムは3年続ける予定との事
それで考えると――
年内にタパレス
2年目①ネリ
②カシメロ
③グッドマン
3年目①アリーム
②MJ
③ピカソ
こんなところかな。仮に亀田和毅がMJに勝ったとしても、井上は亀田家が嫌いだから和毅とは試合しなさそう。もしも井上がフルトンに苦戦したのならば、和毅との試合も観てみたいが、フルトン戦の内容を思えば「もう和毅との試合は必要ない」かな、と思った。
PFPキングはクロフォードに譲る
スペンスJr.をTKOし、2階級4団体統一
流石にこれは議論の余地はないかなと。
Sライトとウェルターでの世界王座完全制覇。
しかもウェルターに上げてから11連続KO。
PFPキングに相応しいパフォーマンスだった。