【ボクシングPFP】漫画における最強ボクサーを決定、について【2019年度ランキング】
さあ、今日も戯れ言《
この記事は2019年5月10日が初アップだ
ボクシング漫画は数多くあれど、最強のボクサー(パウンド・フォー・パウンド=体重同一視で最強)は、どのキャラクターかという疑問に、説得力をもって答えて(応えて)くれるブログの記事が見つからなかった。
非常に残念である。
しょうがない。だったら僕が独自の視点と評価から、日本ボクシング漫画のキャラ(ボクサー)におけるPFP(パウンド・フォー・パウンド)を選出しようではないか。
異論があるんだったら、この記事よりも納得できるランキングを作って発表してくれ。
もしくはコメント欄に推薦(推挙)ねがう。
選考における前提条件は以下だ。
- 僕が知らないキャラは挙げようがない
- 『リンかけ』みたいなトンデモ系は除外
- 試合シーンで強さが表現されている
- 対戦相手の強さ(質)も評価対象
◆合わせて読みたい◆
それでは発表しよう。
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まずは惜しくもPFP10位から漏れたボクサーだ。
圏外扱いではなく、あくまで10位以外と思って欲しい。
次点:ウォーリー
登場作品:はじめの一歩(森川ジョージ)
タイトル:インドネシアフェザー級王者
戦績:4戦3勝(3KO)1敗
※)作中で一歩に敗戦した時点
再登場時:25戦24勝19KO1敗
WBA世界フェザー級1位
次戦でリカルド・マルチネスに挑戦
⇒6回KO負けで引退
野生の天才児。モデルは『あしたのジョー』のハマリオだろう。
インドネシア王者(実は2団体ある)は、現実のボクシングでは大して強くないので、3戦目でタイトル獲得自体は快挙という程ではない。しかし作中で描画されたウォーリーの強さは本物で、17歳4戦目でフェザー級世界ランカーである一歩を圧倒していた。経験(キャリア)さえ積めば、文字通りの最強ボクサーとなるだろう。
なお、再登場した時にはWBA3位にまでランキングを上げて、世界挑戦(試合時には1位にランクアップ)していた。
次点:ホセ・メンドーサ
登場作品:あしたのジョー(梶原一騎原作、ちばてつや作画)
タイトル:WBA&WBC統一世界バンタム級王者
戦績:36戦36勝(35KO)無敗
※)作中でジョー相手に防衛成功した時点
ジョー相手に判定決着になるまでパーフェクトレコードを継続する。
ボクサーとしてパーフェクトと思われたメンドーサであるが、ジョーとの試合で意外な打たれ弱さを露呈。東洋王者止まりだったジョー相手に苦戦をさらした時点で、PFPトップ層からは遅れをとると評価せざるを得ない。
また、今時の(世界のボクシングの)基準では1階級制覇で2団体制覇は、ぶっちゃけ大した偉業とはいえないだろう。
次点:関 拳児
登場作品:がんばれ元気(小山ゆう)
タイトル:WBA世界フェザー級王者
戦績:元気に敗北するまで全KO勝ち
主人公の元気に敗北するまでパーフェクトレコードを継続した。
19歳でタイトル獲得し、12年間防衛し続けている。2年で5試合のペースでもV30は達成している筈。実績からするとPFP入りでもおかしくないが、いかんせん作中において、コレといった対戦相手を倒していないのがネックか。今の時代だと「雑魚狩り王者」と非難されそうだ。
次点:原田成吉
登場作品:ろくでなしBLUES(森田まさもり)
タイトル:日本ウェルター級王座
WBC世界ウェルター級王者
戦績:不当(地元)判定で1敗を喫している
マンガ的には地味だが実績は素晴らしい。高校生デビューで6連続1回KOして日本ウェルター級王者に。高校卒業を待たずに渡米。地元判定で勝ちを盗まれた事もあるものの、19歳時、アメリカでタイトル奪取に成功、WBC世界ウェルター級王者に輝く。
年4試合とすると、日本で6戦6KO無敗。アメリカ2戦目で不当判定。世界挑戦時は12戦11勝11KO1敗くらい? で世界タイトル戴冠。そこから4度防衛(半年に1度のペース)だから16戦15勝15KO1敗ってところか。
挑戦者である太尊も16勝15KO無敗、うち8度が1回KO勝ちというが、日本や東洋圏内のウェルター級(のレベル)だと、別に大した戦績でもなかったりする。ってか、デビュー2年で16戦だからペース早いなぁ。新人時代だから可能とはいえ、通常のほぼ倍のペースで試合を消化している。
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ここからはPFP10以内を発表する。
ボクシング漫画ファンおよびボクオタは刮目せよ。
世界王者が揃った堂々たる面子ばかりだ。
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10位:堀口元気
登場作品:がんばれ元気(小山ゆう)
タイトル:WBA&WBC統一世界フェザー級王者
戦績:13戦13勝(13KO)無敗
王座統一後に19歳で引退してしまったので、パーフェクトレコードが確定している。
新人王戦こそC級デビューなので参戦したが、その後は日本~東洋路線ではなく(亀田家の様な)世界ランカー路線をとるという、今の時代であっても王道ではないルートを辿っている。もっとも世界前哨戦で日本王者をあっさりとKOしているが。
マイナスポイントは、滅多打ちにされたWBC王座獲得試合(海道卓戦=9回TKO)だ。攻勢だった海道が(パンチドランカー症状の発現で)勝手に倒れただけで、現在基準ならば文句なしのTKO負けである。それから世界戦2試合でバーンアウトして引退。若い割に伸びしろも少なさそうだし、そういった要因で10位止まりとした。
9位:磯野満天
登場作品:満天の星(楠本 哲)
タイトル:日本フライ級王座
WBC世界フライ級王者
戦績:11戦11勝(11KO)無敗
※)作中で牧との日本タイトル戦を行った時点
残念ながら世界前哨戦でもあった日本フライ級タイトルマッチでキンクリが発生、世界王者になったその後が明示されての打ち切りエンドだった。
しかし、世界タイトル防衛およびパーフェクトレコードは継続していると思われる。
フライ級とは思えない豪快KOを連発するソリッドパンチャーで、アマチュア未経験かつ高校生スタートというハンデをものともせず、無傷で世界に到達した。現在のボクシング界の基準でいえば、世界タイトルがスタートで期待のホープ扱いだろう。
実年齢以上にボクサー年齢が若く、10位の元気とは対照的に伸びしろ抜群なので、元気より上の9位にランクした。知名度で元気を満天の上にするPFP記事など、微塵の価値もないと断言しよう。
8位:福山優吾
登場作品:のぞみ♡ウィッチィズ(野部利雄)
Monacoの空へ(野部利雄)
タイトル:WBA&WBC統一世界ライト級王者
WBA&WBC統一世界Sライト級王者
WBA世界Sライト級王者
WBA世界ウェルター級王者
戦績:38戦37勝(33KO)1敗
※)『Monacoの空へ』で主人公の空がTV観戦した時点
『のぞみ♡ウィッチィズ』にて、主人公の遼太郎が戦った最後の相手。その当時は19戦全勝全KOであった。唯一の敗戦はその遼太郎に喫した12回KO負け。以降、世界王座に復帰し、3階級制覇を達成してボクシングシーンのトップに居続けているものの、全KO勝利は途絶えていた。
世界初挑戦であったチャベス・シニアもどきとの死闘、ラスベガスにて統一王座2階級制覇に成功したテリー・ノリスもどきとの一戦と、文句の付けようがない実力者である。
7位:司葉遼太郎
登場作品:のぞみ♡ウィッチィズ(野部利雄)
Monacoの空へ(野部利雄)
タイトル:日本ライト級王座
OPBF東洋太平洋ライト級王者
WBA&WBC統一世界ライト級王者
戦績:9戦9勝(9KO)無敗
世界戦は僅かに1戦。元気と同じくタイトル獲得後に防衛戦なしで引退してしまう。本来ならばPFPに入れるべきではない――が、高校生スタートだったのに、アマチュア戦績が凄すぎる。高校生で全日本を制するどころか、そのままオリンピックの金メダルに輝く。アマ通算で22戦全KO・RSC勝ちというスーパーレコードだ。
デビューもJBC特例でA級スタート。初戦で日本ランク1位と試合した。ロマチェンコというデビュー戦で世界ランカー、2戦目で世界戦という規格外もいるので、遼太郎の実績ならば別に不自然とはいえないだろう。不自然なのは主人公の天才ぶりだった。
6位:徳川貴作
登場作品:満腹ボクサー徳川。(日高建男)
タイトル:日本ウェルター級王座
日本ヘビー級王座
OPBF東洋太平洋ヘビー級王者
戦績:全KO勝ち(試合数は忘れた、20戦?)
東洋王者になった時点で打ち切り。後の世界ヘビー級王者だろう。
適正クラスがウェルター級なのに、ウェルター級日本タイトルを返上して、ヘビー級への肉体改造に取り組むという、常識はずれなボクサーであった。日本ヘビー級トーナメント決勝で下したライバル、藤堂省吾はその後、IBF世界クルーザー級王者になっている点からしても、徳川の天才性は規格外だろう。
仮に、徳川が無理な増量などせずにウェルター級からミドル級の階級で戦い続けていれば、世界レベルでも歴史的なレコードを残していたに違いない。
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5位:鷹村 守
登場作品:はじめの一歩(森川ジョージ)
タイトル:日本ミドル級王座
WBC世界Sウェルター級王者
WBA&WBC統一世界ミドル級王者
WBC世界Sミドル級王者
戦績:26戦26勝(26KO)無敗
※)最新であるキース戦での時点
作者の森川ジョージ氏いわく「作中で最強(PFP)のボクサー」。
しかし減量苦が主な原因とはいえ、日本タイトル戦で苦戦したり、ブライアン・ホーク戦やロナルド・ダック戦、ピーター・ラビットソン戦を見る限り、そこまでの説得力には欠けていると言わざるを得ない。バイソン戦も実質的には負けていた。
6階級制覇が目標だが、体格的にヘビー級は厳しいか。
現在のヘビー級は2メートルかつ110キロという巨人達のステージになっており、ロイ・ジョーンズのヘビー級挑戦よりも、サイズ的に無謀になってしまう。
とはいえ、Lヘビー級くらいで減量苦から解放された鷹村を想像すると、やはりボクシング漫画史上において屈指の最強ボクサーとの評価に値する。
4位:リカルド・マルチネス
登場作品:はじめの一歩(森川ジョージ)
タイトル:WBA世界フェザー級王者
戦績:69戦69勝(65KO)無敗
※)より戦績を伸ばしている可能性あり
スパーリングで一歩を左ジャブのみで失神させるという実力者。
21歳で世界王座に就き、以後、防衛を続けている。長期連載の弊害で、どうしてリカルドが統一戦や複数階級制覇を狙わないのか、謎というか矛盾が生じてしまっている状態だ。メキシカンなのにWBCタイトルでないのも不自然であるが。伊達との2試合を見る限り、日本人ボクサーが敵うレベルではない。
現状、底や欠点を見せていないので、同作品の鷹村よりも上にランクした。
3位:城島英児
登場作品:チキン(村上真裕)
タイトル:WBC世界ミドル級王者
戦績:23戦15勝(0KO)8分
ボクシング漫画好きには有名な「ゼロKOチャンプ」が3位である。
別にパンチがないから0KOなのではない。とある理由で拳を長持ちさせる為に強打を封印しているのだ。アマチュア時代は全KO勝ちの狂暴ファイターだった。
とにかくディフェンス技術が凄い。
鷹村とミドル級で試合をしても、僅差での判定勝ちかドローであろう。鷹村の適正階級であろうLヘビー級だと、流石に鷹村がKOで勝つだろうが。
2位:石川 凛
登場作品:SUGAR(新井英樹)
RIN(新井英樹)
タイトル:WBC世界Sフェザー級王者
WBC世界ライト級王者
戦績:15戦14勝(14KO)1敗
※)作中で立石をKOし2階級制覇を達成した時点
漫画における天才ボクサー像を最も体現しているのが、この石川凛だ。
多くの(マニアな)人は、最強の天才ボクサーといえば、凛を想起するに違いない。
唯一の敗戦はデビュー戦のみ。油断してよそ見している隙に、開始4秒でKO負けという特大のポカだ。大曲にKOされた湯場みたいな試合であった。
ボクサーとしての懸念材料はフィジカルの強さ(頑丈さ)というか、打たれ強さだろう。まともに打たれた経験、ゼロだし。しかも顕著にスピード依存型のボクシングをするので、加齢でスピードが衰え始める時期に、どうスタイルチェンジするのかが、正念場だ。
1位:岩城 凌
登場作品:天上天下唯我独尊(もりやまつる)
タイトル:WBA&WBC統一世界ウェルター級王者
WBA&WBC統一世界ヘビー級王者
戦績:4戦4勝(4KO)無敗
石川凛を抑えて、ボクシング漫画PFPのトップに君臨が岩城凌だ。
ロマチェンコ、前述した司葉遼太郎すら超えるスーパーレコードである。
2戦目で統一世界ウェルター級王者に、V1戦後のラストファイト(この時点で主人公の身体はボロボロだった)で、なんと統一世界ヘビー級王者に挑戦して、勝ってしまうのだ。その試合でのリンク禍で、お亡くなりになってしまうのだが。
フィジカル、スピード、テクニック、パンチ力、コンビネーション、インファイト、乱打戦、アウトボックス、フットワーク、闘志(メンタル)と僅か4戦で、世界的な強豪相手に完璧に証明されていた。井上尚弥よりもドリーミーなボクサーだ。
しかも今まで挙げたボクサーの誰よりも対戦相手の質が高いのである。この岩城と比べると、ヘビー級を視野に入れている鷹村と徳川もスケールが小さくなってしまう。
同階級だと想定したとして、石川凛も彼だけには勝てないだろう。
独特なストーリー性ゆえに生まれた超ウルトラ天才ボクサーといえるし、意図して天才として描かれたというよりも、結果的に超天才かつ最強ボクサーになってしまったケースであるので、今後、岩城凌よりも凄い「漫画のボクサー」が出現するとは思えない。