【ブチ切れ令嬢】アニメ7話の衝撃展開に賛否両論/テイカー気質かギバー気質で見方が反転【レビュー】

この記事は2026年08月18日が初アップです

【引用元――ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~(原作:はぐれメタボ/昌未、『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました』製作委員会)より抜粋】
割と理解力が試される作品
アニメ第7話の報復開始において、ネットでは賛否両論が飛び交っている。
まあ、作品コンセプトとしては「祖国脱出⇒帝国亡命⇒国家反逆罪で指名手配される⇒財力基盤を作るための商会運営」で止まっていたので、むしろ「いつになったら報復に移るんだよ」という感じでもあった。商会で巨万の富を目指すのは、ぶっちゃけ金そのものが目的ではなく、報復のための手段であるのだから。
経済戦争や経済報復も違うだろう。祖国を滅亡させると宣言したのだから。
巨万の富と人脈を元手に、巨大戦力(軍備)を整えるのは既定路線であろう。このエリーという主人公は最強系かつ万能系なのだが、決してワンマンではない。統治者として部下に仕事を割り振れる。当然ながら武力においても、自身の軍勢を構築する筈。
で、俯瞰して観れば、やっと報復らしい報復を1回だけやった、というところだ。
しかし、その報復が一部の視聴者の不快を買った模様である。
主人公エリー(エリザベート)が受けた恥辱
この点で、すでにテイカー気質な視聴者とギバー気質な視聴で見解が真っ二つに割れている様に思う。
ネットの感想を拾うと、エリーが受けた屈辱は「ちょっと牢屋に閉じ込められた」程度らしい。まあ、確かに投獄はされたが、それは切っ掛けに過ぎない。
これはテイカー気質側の感想だ。
投獄とか牢屋に閉じ込められた件は、エリー的には割とどうでもよい。その気になれば、実力行使ですぐに脱走可能であるし、そもそもが冤罪で、かつ牢屋の中でさえ執務を押し付けられているのだから。
エリーが受けた屈辱は以下だ。
〇国王と宰相の父が、冤罪で投獄された自分を「どうせ自力でどうとでもできる」と優先順位を下げて放置した事
〇侯爵令嬢かつ王太子の婚約者である身分なのに、公の場で捉えられ侮蔑を浴びた事
〇公の場で、誰一人として「冤罪と知りつつ」自分を庇わなかった事
〇私財まで投じて為政者として尽くしてきた民が、冤罪の噂を鵜呑みにして手の平を返した事
テイカー気質の視聴者にとっては、以上は無かったこと、になっている感じだが。
だが、ノブレスオブリージュに則り国と民に尽くしてきた献身な過去がテイカー達によって無残な食い物にされた屈辱を、エリーは決して赦しはしない。自身の行いと誇りを嘲笑と侮蔑に転じさせた国民と国家を「報復という形」で殲滅するとエリーは決意した。誇りを取り戻すために、祖国を民ごと滅ぼしてやる、と。
王国から濡れ衣を着せられた状態で逃走したと民に思われたままも、また屈辱。
とはいっても、テイカーには絶対に理解できない感性とも言える。
それはそれ、実際には「ちょっと捉えられて投獄されただけ」と自分の価値観でエリーが受けた恥辱を軽くしてしまうのが、テイカーという人種だから。
主人公エリー(エリザベート)の現在の立場
帝国サイドは、エリーの出自と冤罪を把握している。
最初は「王国側のスパイ」なのではと嫌疑をかけていた。しかし、王国は面子優先でエリーを国家反逆罪にて国際指名手配する。これによって帝国からのスパイ疑惑は晴れ、エリーは帝国での行動の自由を「見過ごしてもらえる」事となる。
亡命するに当たり、帝国の子爵ルーカスを通じて以下の様に帝国に宣言している。
●帝国に多大な利益をもたらしてみせる
●休戦中の王国を、この手で滅ぼしてみせる
●帝国に敵対する意思はない
帝国内で経済圏を引っ掻き回すだけ引っ掻き回して王国にノータッチだと、最悪で王国に司法取引で売り飛ばされてしまうリスクさえある。
極論するとエリーは、その身の上から「王国に復讐」するか「逃亡し続ける」かの二択を迫られるのは目に見えているのだ。帝国が国際指名手配犯の自分を見逃してくれているのは、王国を滅ぼす、という宣言(約束)があるからこそ。
無辜の民を屠る件への善悪
第7話のラストで、王国近衛騎士団を殲滅させた。
まあ、エリーの立場で見れば「生かしておく」事に対するリスクは小さくない。現状が露見してしまい、王国から帝国へ追っ手を差し向けられるのは不都合であろう。
逃げて潜伏している、と侮られるのも危険だ。
帝国サイドは見て見ぬふりなのは想定内として、騎士団の口封じのみならず先手を打つ必要がある筈。先手を打っておけば王国サイドも迂闊に出られなくなる。
王国属国は先代国王の首をもって降伏を申し出た。
では、一枚以上噛んでいる王太子が派遣した騎士団に関しては、その命のみならず、どういう形でのケジメとなるのか。惨殺され凌辱されてしまった無辜の帝国民に対する対価は、まだ支払われていない――

