【TVアニメ化】ジョジョの奇妙な冒険、第5部について【黄金の風】
さあ、今日も戯れ言《
この記事は2019年3月13日が初アップだ
【引用元――ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(原作:荒木飛呂彦、集英社/ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会)より抜粋】
原作のジョジョは第6部の途中まで読んでいた。
連載されていたジャンプでだ。
単行本は第5部の途中まで買っていたと記憶している。まあ、単純に引っ越しの都合で買い揃えるのを断念、そして処分という経緯だった。それは他の漫画(コミックス)も同じであるが。
当時、僕が1番好きだったのは第3部だ。
そして第1部、第2部という順番で愛読しており、第4部でやや熱が冷め、正直いって第5部で実質、リタイアしたという感じだ。絵柄が見難く思える様になっていたのと、話がやや煩雑だという印象を受けていた。加えて、《スタープラチナ》や《クレイジー・ダイヤモンド》の圧倒的なパワーが好きだった当時は、さほどパワーがなかった《ゴールド・エクスペリエンス》があまり好きになれなかったのだ。
だが、第1部からの壮大なアニメ化を機に、僕は改めてジョジョという偉大なる世界的シリーズを振り返り、そして好みを一変させる。
好きな順番が第4部、そして第5部になっていたのだ。
それに伴い好きな【スタンド】も《ゴールド・エクスペリエンス》に。
昔はスケールが小さい、と思えていた第4部の日常が実は最も奇妙な冒険をしている――と楽しめる様になっていた。原作のトニオ巻を買い戻し、何度も何度も繰り返し読んでいる。ジョジョが変わったのではなく、僕が変わったのだ。
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改めて買い揃えた第5部
流石にジャンプコミックスではない。コンビニでの例のやつ(SJR――ジャンプリミックス)だ。第1巻を衝動買いして、どうせならと続刊を揃えてしまった。全10巻であるから、実に6000円以上の出費となる。後悔はしていない。
ぶっちゃけると、やはり第5部以降、絵柄は一見では理解し難い(7部から再び見やすく絵柄が変化していると思うが)。
その辺りはアニメ版で上手く補完的に表現できていると思った。
回想シーンの時系列シャッフルくらいしか、目立ったアニオリ要素はないので、ここからは、この原作漫画を基準にジョジョ第5部――黄金の風を振り返ってみよう。貴重なお時間を頂く事となるが、少しばかりお付き合い願いたい。
JOJOシリーズについて
石仮面伝説を基にしたロマンホラーは第2部の波紋編で完結している。
そこから新たに【霊波紋(スタンド)】という概念(能力)を登場させた、世代を超えたジョジョ対DIO(ディオ)の物語も、第3部で幕を閉じた。
ジョナサン⇒孫(ジョセフ)⇒孫(承太郎)⇒叔父(仗助=ジョセフの隠し子)といった様な血統で、第4部は続編という位置付けでシリーズが繋がっている。
第4部は【霊波紋(スタンド)】シリーズ第2弾でもあり、第9部まで構想されているというJOJOサーガの礎(土台)とも捉えられる物語だ。
第6部の主人公、ジョリーン(徐倫)は承太郎の娘であり、この第6部を境に、第7部以降はパラレルワールドへと舞台を移している。
つまり第1部から第6部で、パラレル化するまでのジョースター家のストーリーは完結しているのだが、そんな中、第5部だけが異彩を放っているのだ。
主人公、ジョルノはDIO(肉体はジョナサン)の息子。
そして外伝といえてしまう程に他の部から見た独立っぷり。
承太郎、康一、ポルナレフと他の部の主要人物も登場している事は登場しているのだが、設定として彼らである必要性は希薄といっていいだろう。そもそもジョルノがDIOの息子であるという事が、第5部という物語において何か特別な意味合いを果たしたわけすらなかったりするのだ。第5部が他の部に影響を及ぼすわけでもない。
ジョルノがスタンドバトルの末、イタリアの街でギャングのボスに成り上がった。
簡潔にこれだけの話である。
では、その第5部を買い直した原作基準で語ってみたいと思う。
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序盤――ジョルノ、登場!
前途した通り、承太郎と康一が読者を新な物語に案内するかたちで、ジョルノ・ジョバーナは華麗に登場する。
ハンバーグを頭に乗せていた第4部ジョジョの仗助に対し、ジョルノはチョココロネを3つ、前髪に巻き付けていた。
でもって、物語の導入案内を終えると承太郎と康一は揃ってフェードアウトだ。
ジョルノの基本的なパーソナリティと、天道虫(太陽を象徴)をモチーフとした黄金なる【スタンド】――《ゴールド・エクスペリエンス》の能力が紹介される。
康一の《エコーズ》と涙目のルカを相手にだ。
ジョルノの【スタンド】能力は物体に生命を吹き込む(そして動植物に変化、動物は基本的に小さい)させるチカラ。なるほど斬新な能力である。
しかも、だ。
変化させたカエルが攻撃されると、なんと、そのダメージが相手に反射されてしまう。その攻撃リフレクト能力でルカは死亡してしまう。
生命付与が植物化はなしで、動物のみへの変化だったのならば、色々と汎用できそうな能力だったが、どうにも使い勝手がよろしくなかったのか、ダメージ反射はルカ相手の1回と康一への1回(樹木に攻撃した)、最後に次戦でのブチャラティの歯が変化した蝿への反射で今後、登場する事はなかった。そりゃ、変化した生命体にピンポイントで「ほぼ無意味に」攻撃する敵は稀少だよなぁ。
で、お次の敵はブチャラティだ。
登場時のみ、ちょっとキモイ性癖を披露してしまう彼であったが、ジョルノの仲間(精神的には部下に等しい)になってからは、どんどんメンタルもイケメンになっていく。あのおかっぱ頭がルックスとしてイケメンかはさておき。
ブチャラティとの戦闘で《ゴールド・エクスペリエンス》は「人間を殴って、生命力を過剰に吹き込んだ際」の能力を披露する。これまた面白い能力だ。
過剰に生命力を吹き込まれたブチャラティは、新陳代謝が加速して老化してしまうのではなく、感覚が暴走して意識が実体と乖離してしまう(感覚のみが加速、相対的に現実ではスローに)のであった。
おかしい。植物に生命力を与え続けると成長が加速して、枯れてしまうのに。
ぶっちゃけ、ブチャラティを仲間にする為だけの能力としか思えず、スタンドバトルに活かせそうな設定ではなかった。なにしろ本体を殴って発動する能力だ。
まあ、この能力もブチャラティ戦のみだったが。
ブチャラティを仲間に加えたジョルノは、幹部ポルポに対してのギャング入団試験に臨むのであった。ブチャラティの斡旋という形式で。
「このジョルノ・ジョバーナには夢がある」の決めセリフをもつジョルノの夢は、ギャング・スターになって彼なりの平和を、汚職まみれの警察では実現不可能なイタリアで成し遂げる事であった。その為に、ジョルノは麻薬商売に手を染めているギャングに入団し、内部から組織を乗っ取るという算段なのだ。
ポルポの入団試験はユニークで、結果、本体であるポルポが感知しないところ(遠隔自動操縦型【スタンド】)で、彼の《ブラック・サバス》と一戦交える。
この試験や後にポルポを始末した《ゴールド・エクスペリエンス》の能力の使い方は見事であった。バナナに意思があってポルポに絡みつくのかは別にして。
ギャング組織【パッショーネ】への(潜入)入団を果たし、序盤は終わる。
同時に、それに伴い承太郎と康一の第4部コンビもお役御免に。
前半――ブチャラティ・チーム始動
ブチャラティを抱き込み、ギャング団への潜入を果たしたジョルノは、組織を乗っ取る為に「正体不明の」ボスを人知れず倒さねばならない。
要するにボスに辿り着く必要があり、その過程としてジョルノとブチャラティは組織内で成り上がる事が必須な状況だ。
ジョルノはブチャラティのチームに所属する事なる。
ポルポの命令で、だ。僕がポルポだったら、ジョルノを紹介したブチャラティの下には付けず、とりあえず他のチームに入れて様子見するが。俯瞰した構図だと、ブチャラティの部下たち――アバッキオ、ミスタ、ナランチャ、フーゴはブチャラティに裏切られている。
面通しの際、有名な「アバ茶」を飲む羽目になるジョルノであったが、僕はこう想像している。歯が変化したクラゲは8割方「アバ茶」を吸収してくれたが、残りはジョルノが飲んだのではないかと。それを飲んでいない振りをしてハッタリかましたのだ。あのカップサイズの2割くらいならいけるだろう。尿くらい平然と飲めないと、ギャングなんて無理だ。
間もなく、ジョルノがポルポを暗殺(表向きは自殺判定)した副産物として、ポルポの隠し遺産を巡った戦いが勃発するのであった。
ポルポの財産を隠した張本人であるブチャラティを狙うのは、ズッケェロ&サーレーだ。
ズッケェロの《ソフト・マシーン》との戦いで、アバッキオの《ムーディ・ブルース》が活躍する。対象に化けて、過去を巻き戻して再現できる(その対象のみ)という、アイデア抜群の能力であった。それから船が二隻というトリックは、原作漫画だと解り難いが、アニメだと非常に解り易く表現されていた。
船上にて、YouTubeで大拡散された「ギャング・ダンス」を披露した後、ミスタ対サーレー戦となる。
ミスタの《S・ピストルズ》のお披露目バトルでもあり、難敵《クラフト・ワーク》相手にその能力を如何なく発揮した。なお、Sに略しているのはGoogleアドセンスの関係である。略さないとGoogleのAIがポリシー違反を誤検出するおそれがあるので。この第5部で最も活躍した【スタンド】は《S・ピストルズ》だと思っている。第3部の《エンペラー》と第4部の《ハーヴェスト》を掛け合わせて、弱体化させた感じではあるが。
ブチャラティ達はどうにかポルポの遺産を回収。
それを組織への献金とし、ブチャラティはポルポの後釜=幹部に昇進した。
その際、幹部になった責務としてポルポがやる予定だった任務を受ける。
ボスの娘、トリッシュの護衛だ。
正体不明であるボスへの手掛かりとして、(麻薬の利権関係で)ボスからの離反&下剋上(麻薬ルートの乗っ取り)を目論む暗殺者チームが、トリッシュを狙っている。ブチャラティ達はボスからの司令に従いながら、トリッシュを守り抜くのだ。
内心で、ジョルノとブチャラティも大喜びである。なにしろボスへの手掛かりだ。
冷静に考えるまでもなく、ポルポが生存していたとしても、超絶肥満体ゆえにあえて刑務所暮らしを満喫しているポルポが、直接的にトリッシュ護衛をこなせる筈もなく(しかも《ブラック・サバス》じゃ無理)、結局はブチャラティのチームにお鉢が回ってきたと思うが。
トリッシュを巡り、ブチャラティ達と暗殺者チームが戦う。
攻めるのは暗殺者チームで、守りながら移動するのがブチャラティ達だ。
ストーリーの骨子は第3部とほぼ同じだと捉えてよい。
まずはホルマジオの《リトル・フィート》が、隠れ家からの買い出しに行ったナランチャの《エアロスミス》と激突する。
次いで、移動手段を得る為のボスからの司令で、待ち伏せしていたイルーゾォと、ジョルノ&アバッキオ&フーゴが交戦した。
イルーゾォの【スタンド】――《マン・イン・ザ・ミラー》は強敵で、最後はジョルノの能力が決定打になったが、3対1で大苦戦であった。
この戦いでというか、この戦いのみフーゴの《パープル・ヘイズ》が登場する。
味方としては扱いにくい事この上ない能力だった《パープル・ヘイズ》は、この一戦以外では影も形も出ずに、本体であるフーゴと共にフェードアウトだ。
これにて、ようやく味方全員の【スタンド】能力が判明する。
舞台をフィレンツェ行きの特急列車へと移し、プロシュート兄貴&ペッシ戦だ。
兄貴の《ザ・グレイトフル・デッド(偉大なる死)》は老化を加速する恐怖の【スタンド】であり、潜在能力は兄貴以上であるペッシの《ビーチ・ボーイ》は、シンプルだがシンプルゆえに強い【スタンド】だった。
ブチャラティの《スティッキィ・フィンガーズ》が最も活躍した戦闘である。例のスタンドラッシュ「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!――アリーヴェデルチ(さよならだ)」は、この戦闘で爆誕した。
続いて、メローネの《ベイビィ・フェイス》が襲ってくる。
この戦闘にてジョルノの《ゴールド・エクスペリエンス》が新たな能力を発現。成長性Aという設定を免罪符に、やりたい放題といった印象だ。
物体に生命を与える、転じて、欠損した肉体の血肉まで創生するという――チームのヒーラー(回復役)へと転職を果たす。
大雑把に解釈すれば、仗助の《クレイジー・ダイヤモンド》と能力および役割が被っている気がするが、くれぐれもそういった細かい事を気にしてはダメである。仗助とは違い、ジョルノは自分の負傷も再生(欠損部分を創生して補完)させられるが。
数々の激闘を経て――改めて振り返ると大した数でもないが――、ブチャラティ達はトリッシュ護衛の最終目的地に近づく。最後の関門は、ギアッチョの《ホワイト・アルバム》だ。ジョルノ&ミスタが彼を撃破。
ブチャラティ達はついにヴェネツィアに到達し、ボスが待つ塔へと赴くのであった。
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中盤――組織を裏切り、ボスと対立
トリッシュの安全の為、ブチャラティはボスへ彼女を届けた。
つもりだった、のだが。
なんとボスの意図は「誰にも知られる事なく、自らの手で確実に娘(トリッシュ)を始末する」事であった。その為の運搬役にブチャラティを指名したのだ。
なんという驚愕ッ!
いやいやいやいや。無理があるだろ、それ。
インパクトの強さに比例して、突っ込みどころも満載である。娘を始末したかったら、もっと早くに別人格の姿(ドッピオ)で接触すればいい。執拗に他の部下(親衛隊)に暗殺させるのも手だろう。というか、ブチャラティからトリッシュを受け取った後、彼等が帰ってからトリッシュを食事させて毒殺でもすればいいのだ。
不必要にエレベータ内でトリッシュを強奪するなよ(汗
メタ的にみれば、ここでブチャラティを離反させないと、物語的にラストにボスを暗殺するしかなくなるので、仕方がない展開といえば仕方がない。加えて、ボスの《キング・クリムゾン》の脅威を読者にアピールする絶好の機会だし。
第3部、第4部のラスボスと同じく《キング・クリムゾン》は時の【スタンド】だ。
ビデオに喩えるのならばDIOの《ザ・ワールド》が「ストップ」で、吉良吉影の《キラークィーン》の第3能力が「巻き戻し」、それに対して《キング・クリムゾン》は「スキップ(早送り)」といったところか。
表現としては、時間(過程)を吹き飛ばして結果のみを発現、だ。
近未来を覗ける能力《エピタフ》と合わさり無敵のチカラとの事だったが、正直いって《ザ・ワールド》との差異がよく分からなかった。というか、ラストバトルでの能力描写からしても、作者自身すら持て余している感があった。
ボスに致命傷を食らう(ジョルノの能力で延命)も、トリッシュを取り返し、自らの意思でボスに反旗を翻したブチャラティ。彼はジョルノに協力するという名目以外にも、トリッシュをボスから守るという目的を得た。まさに主人公だ。
ジョルノ&ブチャラティに付き合い、共にボスを倒そうと決意したチームのメンバーは、ミスタとアバッキオにナランチャの3名だった。
ここでフーゴはチームを離脱して組織に残る。
普通に考えると、最終局面で助っ人として再登場するパティーンであるが、なんとフーゴは本当にこのまま最後まで登場せずに終わった。
いったい何だったんだ、フーゴというキャラは(泣
その能力からして、味方のままだと《キング・クリムゾン》の天敵過ぎるので、ここで退場させるしかなかったのだろう。
1名のみの脱落で、ブチャラティ達はボスが差し向ける親衛隊の精鋭と戦う。
いや、最初からこの親衛隊にトリッシュを襲わせろよ、という突っ込みはなしだ。
先鋒はスクアーロの《クラッシュ》とティッツァーノの《トーキング・ヘッド》。
ボスの《キング・クリムゾン》の後だったので、なんか印象に欠けた。
このコンビを退けた後、トリッシュの記憶から若き日のボスを探る為、サルディニア島へと飛行機で向かう。むろん飛行機は強奪だ。
その飛行機内でカルネ(【スタンド】を自立型悪霊と化す為に死亡)の《ノトーリアス・B・I・G》に襲撃される。
この戦いにて、トリッシュは【スタンド】能力に目覚める。
その名は《スパイス・ガール》。
《スパイス・ガール》の発現を血の繋がりから感じ取ったボスは、再び自らの手でトリッシュを始末するべく、サルディニア島へ赴くのであった。
後半――レクイエムを巡る攻防
いよいよ最終局面へと向かっていく。
ボスの親衛隊は残り2名――切り札といえる存在だ。
チョコラータ&セッコである。
彼等の《グリーン・ディ》と《オアシス》は強敵であり脅威であったが、気のせいか《グリーン・ディ》の能力は《パープル・ヘイズ》と被っている様な……
親衛隊とのバトルは間延びしている感じが強く、それよりもボスの別人格――ドッピオが鮮烈であった。二重人格キャラだが、とにかく斬新そのもの。
このドッピオ(ボス)の《キング・クリムゾン》と、全滅した仲間の復讐を期す暗殺者チームのリーダー、リゾットの《メタリカ》が激突するが、第5部で屈指の名バトルであったと個人的には思っている。特に《キング・クリムゾン》の「時を吹き飛ばす」能力が1番効果的に表現されていた。
ストーリーラインとしては、暗殺者チームが全滅、ボス親衛隊も全滅、で残った者達(途中でアバッキオはリタイア)による最終決戦となるが、ここに一味加えられた。
第3部のポルナレフが再登場し、ローマのコロッセオにてジョルノ達を待つ。
かつてボスに敗れて再起不能にされたポルナレフであったが、ボスを倒す可能性を秘めた「矢」をジョルノ達に託そうとしているのだ。
凄まじいまでの後付け設定であるが、なんとなく仄かな説得力があった。
しかし、気のせいか別の矢ではあるが《ゴールド・エクスペリエンス》は入団試験時、《ブラック・サバス》に矢で掌を射貫かれていた様な……
ボス登場時には、如何にして《キング・クリムゾン》の弱点を探り攻略するか――であった筈が、気が付けば【スタンド】を進化させる「矢」を取り合う攻防へとすり替わっているではないか。なんという妙。
ドッピオの姿からボス――ディアボロが正体を現した時の所感を告白する。
なんか強そうに見えないな(汗
原作はもとよりアニメの《キング・クリムゾン》が強そうなだけに、余計に。
長かった戦いもフィナーレへ加速する。
例の「矢」によりポルナレフの《シルバーチャリオッツ》が(不完全な)レクイエム化をしてしまい、暴走してしまったのだ。その影響で、魂と肉体が入れ替わったりしながら(割とダラダラと)最終バトルは続き、その果てに「矢」を手にし、「矢」に選ばれし存在となったのは――ジョルノである。そりゃ、主人公だしね。
不完全だった《シルバーチャリオッツ・レクイエム》とは異なり、ジョルノの《ゴールド・エクスペリエンス》は完全なる進化――《ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム》になるのだ。
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!
まるで「デウス・エクス・マキナ」のごとく《キング・クリムゾン》を一方的に叩きのめすジョルノ。というかレクイエム化した《ゴールド・エクスペリエンス》。物質に生命を与える能力とはまるで無関係なその様に、僕は「う~~ん、このッ!」と冷や汗を滲ませ唸ってしまう。
第3部で、いきなり時を止めた承太郎よりはマシだが、承太郎の時止めには感動・興奮した僕でも、ジョルノのレクイエムは何となく釈然としなかったのが本音だ。
そしてジョルノは【パッショーネ】を乗っ取りボスとなる。
生き残ったのはジョルノ、ミスタ、トリッシュ(魂のみポルナレフ)だった。
エピローグとして『眠れる奴隷』というブチャラティ達の過去エピソードが語られ、その中で登場した【スタンド】――《ローリング・ストーンズ》に、彼等が「安楽な死」ではなく「苦難の道」を歩むと明示されて、ラストシーンへと繋がる。
味方チームと敵チームの攻防という点では第3部の焼き増しであった。
しかし、ロードムービーのごとく世界中を旅しながらDIOを目指した第3部とは異なり、状況が変化しながら途中からボス(ディアボロ)すら交えたストーリーは、まさにジェットコースターのスリルといえよう。
これからジョジョを始めたい、という方には第5部アニメからもいいかも。