【偽装の業務委託契約】名ばかり個人事業主について【裁量権なしの実質労働者】
さあ、今日も戯れ言《
結論から述べると
裁量権がなく労働者と変わらない職場環境(労働条件)において、雇用契約から業務委託契約への変更を会社側に持ちかけられた場合、迷わず退職しよう。
この手の条件変更をその場凌ぎで飲めば、あなたの労働環境は悪化の一途だ。
何よりも「名ばかり個人事業主」として従業員をこき使おうとする経営者からは逃げた方が、トータルでは絶対に賢明である。
名ばかり個人事業主とは
個人事業主としてのメリットがない脱法的な雇用形態だ。
通常ならば「存在して然るべき」独立した際のメリットを挙げると――
- 労働時間を自己裁量で自由にできる
- 依頼された仕事に対して拒否ができる
- 報酬について交渉できる
- 指揮監督を受けずに仕事ができる
- 仕事場所を自分で選べる
もちろん相応のデメリットも存在する。
- 社会保険料などは自己負担
- 交通費など必要経費も自己負担
- 労災、年金なども自己負担
- 仕事ができないと収入がゼロになる
と、大雑把にはこんな具合だ。
つまりデメリットを背負ってでも自己裁量で働きたい=独立したい、という意識がなければ、個人事業主(フリーランス)になるべきではないのだ。
しかし「名ばかり個人事業主」は異なる。
労働者の意思ではなく、雇用側からの要請で契約変更を迫られるのだ。
それ(契約変更)に応じてしまえば、その結果――
- 労働時間が会社側に決められている
- 仕事内容に拒否権がない
- 会社に拘束される
- 仕事場所が指定されている
- 委託料は歩合
全く独立していない。まるで雇用契約しているかの業務内容といえよう。
個人事業主としての旨味がゼロだ。
業務委託契約を持ちかけてくるという事は「出勤、退勤、休憩は自由でいいからね」となる筈だ。定時という概念が存在しなくなるので、遅くまで働く必要もなくなる=残業という考え方も消える。だから残業代もない。
なのに定時(始業時間と終業時間がある)が存在して、ゆえに残業という働き方になっているのに「個人事業主だから」と残業代を支払わない悪質なケースがあるだ。
まとめると「名ばかり個人事業主」とは、実質的な労働者のまま、個人事業主としてのデメリットだけを、会社都合によって背負わされる事(インチキ、詐欺)である。
スポンサーリンク
業務委託契約を打診された場合は
冒頭で結論づけた通りに、応じずに即、退職するのがベストだ。
ここであなたが折れて応じてしまうと「おっ、こいつは騙して働かせ放題できる奴隷だ」と、経営者と会社側に見抜かれてしまう。
よって、すぐに退職できないのならば交渉となる。
- 労働時間や休憩時間の取り決め
- 報酬(どうせ歩合だろう)の取り決め
- 支払い方法=給与所得は拒否
また、退職と転職を視野に入れて次の行動も必要だ。
- 弁護士に相談する
- ユニオン等を探す
- 労働基準局に「名ばかり事業主」を報告
労働者かどうかは、単純に契約形式だけではなく、あくまで働き方の実態から判断される――のを念頭に置く。契約内容と働き方から、労働者性が認められ、かつ労働基準法の違反があれば、労働基準局も動いてくれる。
とにかく声を上げることが肝要だ。
面倒臭がってはいけない。
泣き寝入りは駄目である。
まあ、「名ばかり個人事業主」なんて真似を企てる会社は、経営や人材集めに息詰まるのは必至なので、最終的には逃げ出そう。あなたの人生が台無しになるだけだ。
そんなブラック企業にいても、将来性はゼロなのだから――