【尾川堅一が世界王者に】2021年11月&12月の話題をまとめて綴る【T・ロペス、まさかの統一王座陥落】
さあ、戯れ言《
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個別の記事にする余裕がないので
YouTubeというか動画に割く時間が劇的に増えたから、ボクシング関連の話題を個別記事にする時間が取れない。
――ってなわけで、情報更新型として当記事1つに記録していきたい(2021年末までのまとめ)と思う。井上尚弥、井岡一翔、村田諒太の試合は確実に個別記事にする予定。他の注目試合は内容次第かなぁ? 田中恒成の復帰戦はKO勝ちならば個別記事にしたい。
それにしても、この20201年の年末は例年になく興味深い話題が豊富だ。
尾川堅一、IBF世界Sフェザー級王座を獲得
11月28日(アメリカ時間27日)、アメリカ ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンHuluシアターで行われたIBF世界Sフェザー級王座決定戦を制し、同級3位の尾川(帝拳)がニュー世界王者に輝いた。
戦績は25勝18KO1敗1分1NC
主な内訳は、9戦目に5回TKOで三好祐樹(FUKUOKA)に唯一の敗戦。それで8勝6KO1敗だ。しかし11戦目にリマッチで雪辱(1回KO)している。
10戦目から17戦目まで8連続KO勝ち。
16勝14KO1敗
18戦目に内藤律樹(E&Jカシアス)から日本タイトルを奪取。国内のトップ戦線に躍り出た。5度の防衛の後、IBF世界Sフェザー級王座決定戦に出場。テヴィン・ファーマー(米)を相手に判定勝ちするも、ドーピング検査で陽性が出てしまい、無効試合に。戦績は21勝17KO1敗1NCとなる。
その件は深く触れない。個人的には終わっている話な上、さほど興味がないので。
再起(復帰)後は、判定勝ち(咬ませ犬)⇒KO勝ち(咬ませ犬)⇒ジョー・ノイナイのWBOアジアパシフィック王座に挑戦したが、まさかの負傷引き分け。ここで世界戦線に戻るのに暗雲が立ち込めたが、元日本ライト級王者の西谷和宏(VADY)を判定で下し、見事に復活。
この日の栄冠に繋げた。
内藤リッキー、テヴィン・ファーマー、ジョー・ノイナイ、西谷和宏、アジンガ・フジレといった面子が、尾川の実績かな。
今回の同級2位アジンガ・フジレ戦は5ラウンドにダウンを取る。最終12ラウンドにもダウンを2度 追加して実質KO勝ちに近い内容であった。ただしポイントは3度のダウン奪取で5ポイント優位なのに、割と競っていた。というか、全体的にプレッシャーをかけて相手を下がらせていたのに、ダウンがなければ勝利が危ういスコアだった。
でも、内容は完勝だと思う。
自信にもなっただろう。《クラッシュライト》という愛称が付けられた破壊力抜群の右は、よく伸びていた。
世界初挑戦に失敗のフジレは15勝9KO2敗。
テオフィモ・ロペス、無名無敗の伏兵に初敗北
ロマチェンコを攻略して4団体統一王者(ただしWBCはフランチャイズ王座)となったロペスであったが、早々に陥落してしまうとは。
尾川VSフジレがあった日のメインが、このロペスVSジョージ・カンボソスJr.(28)=豪州=である。16戦全勝と19戦全勝の無敗対決だ。カンボソスはIBF1位。
色々とゴタゴタがあり、ロマチェンコ戦から約13ヵ月も空いてしまった影響もあったのだろうか。ロペスは初回にいきなりのダウンを食らう。
KAMBOSOS DROPS TEÓFIMO 🔥#LópezKambososJr pic.twitter.com/8c0dNuMbHi
— DAZN Boxing (@DAZNBoxing) November 28, 2021
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白熱したクロスファイト。
10ラウンドにはダウンを奪い返すも、スコアは115-111、115-112(カンボソス)、114-113(ロペス)で王者交代となる。16勝12KO1敗となったロペスに、無敗キープのカンボソスは20勝10KO無敗。
オッズ13対1の不利予想を跳ね返した新・統一王者は、WBAスーパー、IBF、WBOはともかく4冠目となるWBCフランチャイズも獲得した模様。けれども、このWBC王座はどうなる事やら。3冠統一王者という報道も目立つ。WBC正規王者のデヴィン・ヘイニー(26勝15KO無敗)とは絡むのかな?
WBA正規のガーボンタ・デービス(25勝24KO無敗)は、同時保持しているSライト級王座に集中しそう。ってか、デービスはSライト級4団体統一王者であるジョシュ・テイラー(18勝13KO無敗)との試合に駒を進めるのでは?
追記)デービスはSライト級王座を返上し、ライト級を選択
というか、テイラーもWBC正規だけではなくWBCダイヤモンド王座を保持(正規王座を後に統一戦で獲得)しているが、二重保持となるダイヤモンド王座は名誉王座的な扱いになるのだろうか?
後にWBCはカンボソスのフランチャイズ王座をユニファイド(統一)王座に名称変更している。とりあえずヘイニー戦が規定路線みたい。
ロペスはPFPトップ10からも姿を消すだろう。
立ち上がり、明らかに身体能力を見せつけようと挑発的なステップインを繰り返していたが、そこに合わされてダウンしてペースが狂った感じだ。自滅に近い印象だけれど、性格に難ありっぽいのでリマッチしても負けるかも。減量苦もあるから、このままSライトに上げる可能性が高い。
Sバンタム級戦線はどうなる?
フルトンがフィゲロアを攻略
11月最終週末の興行での王座統一戦。
無敗王者VS無敗王者である。
WBO王者のスティーブン・フルトン(米)とWBA正規&WBC統一王者のブランドン・フィゲロア(米)が激突した。
ただしWBAタイトルはスーパー王者が存在(ムロジョン・アフマダリエフ)している為に、フィゲロアはフルトンとのWBOタイトル戦に上がった時点で王座剥奪となる。アフマダリエフはIBF王座も保持する統一王者という点も加味されたのかも。後の4団体統一戦を睨んだ処置かもしれない。
試合は超クロスファイト。
フルトンが的確なクリーンヒットを拾っていく最中、フィゲロアは「らしさ」全開でガチャガチャした接近戦に持ち込もうとする。見方によって評価が分かれる内容だ。
自分のボクシングを貫いて打ち勝ったのはフィゲロアだったが、ポイントをピックアップしていたのはフルトンって印象か。クリーンヒットは明白にフルトンだ。
2-0のユジリティでフルトンが勝利する。
初黒星のフィゲロアは22勝17KO1敗1分。
連勝を伸ばしたフルトンは20勝8KO無敗。
和氣慎吾が井上拓真に負けて戦線脱落
11月11日の試合。
僕は和氣を応援していたので、和氣が勝ったら個別記事にするつもりでいた。
戦前の予想は「和氣への期待と応援」を加味して5-5だ。で、だいたいこういったケースは応援している方が負けてしまう。今回も例に漏れなかった。残念。
4回にダウンを奪われたのを含めて完敗。
大差判定で井上拓の軍門に下る。勝った井上拓は階級をバンタムに戻して世界戦のチャンスを伺うとの事。陣営は「Sバンタムは王者たちが強過ぎるので無理、回避する(意訳」とぶっちゃけていた。兄・尚弥が4団体統一してSバンタムに進出してからが勝負になるか。15勝3KO1敗。普通に日本・東洋圏内では敵なしの実力だ。
和氣は27勝19KO7敗2分。
34歳という年齢を考えれば、ここからの再浮上は厳しく引退の可能性が高い。というか、そこそこのスピード(ただし前後がメイン)、左ストレートとカウンターセンスに優れた長身サウスポーの利点以外、これといった引き出しが無かったのが露呈してしまった。距離感とタイミングで上回った拓真の駆け引きで自分のボクシングが封じられると、ここまで手詰まりになって何もできないとは。
世界戦やっても記念挑戦にしかならないだろう。アフマダリエフとフルトンに勝ち目があるとは思えない。いいキャラしているので、世界王者になって欲しかった。世界を獲ったら人気爆発したかもしれないのに、残念である。
亀田と勅使河原、どちらがアフマダリエフと戦うの?
Sバンタム級はWBAスーパー&IBF統一王者のムロジョン・アフマダリエフと、WBC&WBO統一王者のスティーブン・フルトンが頂点に君臨している。
10勝7KO無敗のアフマダリエフと20勝8KO無敗のフルトンによる4団体統一戦の実現はファンに望まれるところだ。
だが、その前にアフマダリエフは両団体の指名試合を消化する必要があるかも。
WBAは亀田和毅とヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)に挑戦者決定戦をオーダーして、試合は12月11日開催予定。
IBFは勅使河原弘晶にマーロン・タパレス(フィリピン)との挑戦者決定戦を司令し、こちらも12月11日の試合という。
IBFの指名試合が優先ならば、WBAは空位の正規王座決定戦かな?
亀田と勅使河原で更なる挑戦者決定戦をやるのか。どっちも「じゃ、調整試合をして1試合分だけ待つわ」ってなりそう。世界王座決定戦だったら、共に喜んで戦うだろうけれど。待っているターゲットが穴王者ならば、挑戦者決定戦をもう1回でもOK、だが強豪王者だもんなぁ。
でもWBAの1位はライース・アリーム(暫定王者から1位に格下げの被害者)だったりする。18勝12KO無敗。ただし、このアリームはアザト・ホヴァニシャンとの挑戦者決定戦を蹴っている。経緯からすると、WBAは亀田優先だろう。
ぶっちゃけ、亀田と勅使河原ではアフマダリエフ攻略は厳しいと思う。並クラスの世界王者にならば、共にチャンス十分な戦力なのだが、アフマダリエフとフルトンって下手をすれば井上尚弥よりも強いし。
ってか、上背がない井上尚弥ではSバンタムでアフマダリエフとフルトンは5分以下ではなかろうか。この両名はかなり強い部類のチャンピオンだ。時期が来たらフェザーに進出するだろう。その先のSフェザーもあるかもってレベルかも。この両王者に井上尚弥が完勝できるのならば、もの凄い事である。バンタムからSバンタム、そしてSバンタムからフェザーはバンタム以下に比べて「階級の壁」が軽視できないと思う。
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負けた方の伊藤が勝った三代より先にいく
去年の12月26日。
国内ライト級ウォーズの先駆け的に「伊藤雅雪 vs 三代大訓」が行われた。
両者共に、この試合がライトに上げての(調整試合以外の実質的な)初戦じゃん、というツッコミは止めよう。Sフェザー級での実績は伊藤の方が圧倒的に上だ。
伊藤はOPBF王座、WBOアジアパシフィック、そしてWBO世界タイトルと日本タイトル以外の全てを手中に収めているのだ。
格上にアタックする立ち位置(Bサイド)の三代は、OPBF王座を6戦目で獲得して、伊藤戦前まで9勝3KO1分である。
1分けは、7戦目で日本・東洋の統一戦をやった時だ。日本タイトル吸収はならなかった。相手は末吉 大(帝拳)だった。その末吉は4戦目に伊藤に判定負け、三代と引き分けた次の次の試合で坂晃典(仲里)にTKO負けして引退している。
伊藤有利かな、と僕は思っていた。
結果は、伊藤の完敗である。
熱戦ではあったのだが。
三代の左リードジャブを攻略できず、状況を打破できないまま試合終了のゴング。ジャメル・ヘリング戦での負けを彷彿をさせる試合内容だったと思う。終盤に入っても「ポイント不利だけれど、捕まえ切れないだろう」という雰囲気が濃厚だった。
勝者の三代は評価をグンと上昇させ、いよいよ世界戦線に乗り込むべく最後の国内関門として、地域3冠(日本、東洋、アジアパシフィック)の吉野 修一郎(三迫)に挑戦する予定という触れ込みだ。その挑戦権をかけた伊藤戦だったし。
吉野は14勝11KO無敗
すでに世界戦線で活躍している中谷正義に次ぐ、日本人ライト級ナンバー2である。
けれどもスケジュールが合わなかったのか、吉野は2021年8月に仲里周磨(ナカザト)と日本タイトルの防衛戦をやっている。
で、三代は9月22日に、前途した尾川に負けている西谷和宏(21勝12KO5敗1分)と対戦予定だった。これは12月2日に延期になっている。三代は日本ライト級2位。世界ランクはSフェザー級でIBF13位である。
負けた方の伊藤は、7月3日に再起戦で細川バレンタインにTKO勝ちして、復活する。それだけではなく12月29日――ゴロフキンと村田の前座にて、日本王座以外のアジア2冠を掛けた試合で王者 吉野に挑戦が決まった。
三代は咬ませ犬との調整試合よりはキャリア的にマシだが、ハイリスクでノーリターンな試合となってしまった。勝つとは予想するが、楽勝とはいかないだろう。
逆に伊藤は勝てば世界戦線に完全復帰だ。
吉野の世界ランクはWBO5位、IBF12位、WBAとWBCは14位と主要4団体で全てランクインしている。まあ、現世界王者が4団体統一王者だから、あまり意味ないけれど。
アウトで試合展開されると伊藤は攻めあぐねると思うので、吉野次第だと思う。
ロングでの攻防を徹底すれば吉野の判定勝ち。
逆に色気を出して中間距離前後でKOを狙いにいくと、伊藤が吉野に対応しそう。アウトレンジ以外では、伊藤は「流石は元世界王者」というボクシングをする。ヘリングや三代みたいな(明らかに苦手っぽい)タイプ以外は、伊藤はほぼ万能に戦える。吉野が勝ちに徹するのか、それともライト級での世界タイトル戦を視野に入れて、伊藤をKOしにいくファイトプランを選択するのか。
興味深い一戦だ。
試合内容に拠るけれど、どちらが負けてもワンサイドでの惨敗だったら引退かも。
井岡、大晦日に待望の統一戦
まず、僕のスタンスを明白にしておく。
井岡一翔の私生活については、YouTube動画などでエンタメとして公開してくれている部分には興味あるけれど、1個人としての彼には「僕がどうこうは思わない」だ。
もっと踏み込んで言えば、ロマゴンとの試合も含めてマッチメークはボクサー本人の意向だけでは決まらないので、どうしようもない。井上尚弥とカシメロの統一戦が実現しないのだって、ぶっちゃけ資金不足だろう。カシメロ本人の取り分が1億円になるだけファイトマネーを提示できていれば、とっくの前に実現していた筈だ。井上尚弥の今回の試合が、あの無名タイ人になったのだって、結局のところ「用意できるファイトマネーにおいて、首を縦に振ってくれたのが彼だけだった」に過ぎない。極論すれば、ファイトマネー2億円を提示できるのならば、全ランカーが応じてくれた。
プラントがカネロのオファーに応じてくれた最たる理由が、通常の防衛戦では1億円に満たない彼のファイトマネーが、カネロとの1試合で11億円も稼げるから。10回も防衛戦をやるよりも、カネロと試合した方が割が良いんだもの。
父親との確執は同情する。離婚とかタトゥーとか興味ない。スポンサーだって同じ気持ちだと思う。まあ、某兄弟王者の弟が炸裂させた不倫報道については、スポンサーの多くは激怒だっただろうし、今後は大口のスポンサーが付きにくくなるんだろうなって思った。
ドーピング疑惑の件については、完全に井岡は被害者である。
亀田兄弟と同じで、アンチが多いキャラなのも理解できるといえば理解できるが、ボクサーとしての評価は、2000年代以降では日本ボクシング界で随一では?
フアン・エルナンデス、フェリックス・アルバラード、アムナット・ルエンロン、ファン・カルロス・レベコ、マックウィリアムズ・アローヨ、ドニー・ニエテス、アストン・パリクテ、ジェイビエール・シントロン、田中恒成。
これ以外にも元世界王者クラスが対戦相手にかなりいて、実に濃密なキャリアだ。アローヨ戦以降は「無駄な試合」を避ける為か、これ以上なくハード路線を歩んでいる。
で、今回はIBF王者のジェルウィン・アンカハス(比)との王座統一戦だ。
タイトルを9度防衛中。
33勝22KO1敗2分の通算レコード。
世界戦は9勝6KO1分。
井岡はWBA、WBC、WBOのベルトを手にしているので、このIBF王座をゲットできれば主要4団体コンプリートを達成できる。日本人ボクサーだと高山勝成、井上尚弥に次ぐ快挙だ。ただしミニマム級のみで、かつWBAは暫定王座、WBOタイトルを獲得した時の対戦相手を思うと、う、う~~ん。大平剛(花形)と加納陸(大成)を相手に決定戦で獲得したWBO王座の世界タイトルとしての価値は(汗
まあ、なんにせよ井岡にはこの試合をクリアして、エストラーダ、ロマゴン、シーサケットの中に割り込んでもらいたい。
WBAとWBCはエストラーダが保持しているので、井岡がWBOとIBFの統一王者になれれば交渉次第では、最短でロマゴンの次に「4団体統一戦として」エストラーダ対ロマゴンの勝者との対戦が実現するかも。まさにビッグマッチだ。
井岡って、何気に陥落した経験はない。
2度の敗戦は挑戦試合と決定戦で、世界タイトルは全て返上している。陥落する井岡は見たくないかな。世界戦18勝――防衛総数は実に14回。いずれは井上尚弥に抜かれる数字だろうが、いけるところまでいって欲しいと願っている。
予想は井岡の判定勝ち。
希望は終盤のストップだ。
三代、伊藤戦での勝利で覚醒か
12月2日。
西谷和宏に負ける事はないと思っていたが、西谷は現IBF世界Sフェザー級王者である尾川とそこそこの好ファイト(ダウン応酬の判定負け)を演じていたので、三代が明白に勝っても中差から僅差の判定だろうと予想していた。10勝3KO1分だし。
が、結果は6回KOでの完勝。
試合は見ていないのだが、三代本人は「2回で勝てると思った」とコメントを残している。序盤から4ラウンドまでは左ジャブの差し合いがメインの堅実な技術戦だった模様。そこから5ラウンドに右ストレートでダウンを奪い、西谷に甚大なダメージを与えた。生き延びた西谷は6ラウンドに猛反撃するも、三代は落ち着いて防御しつつ右フックをカウンターで一閃。ぶっ倒れた西谷は大の字で即ストップだったとの事。
試合内容というか流れが理想的だなぁ。
伊藤に勝ち自信を付けて一皮剝けたっぽい。
これからはKO数も増えていくかも。
11勝4KO1分だから、KO率は4/12で33パーセントに上昇した。
西谷にKO完勝できるのならば、もうSフェザーには落とせないだろうけれど、体重はライト級という条件付きで尾川にも勝ちそう。吉野にだって勝つのでは?
西谷相手に地味に勝って「今年は足踏み状態」に甘んじ、2022年にどう繋げるか――ってなイメージだったのに、中谷正義はともかく、伊藤と吉野よりは完全に先にいった感じが強い。吉野は細川バレンタインに判定勝ちだったし。
可能ならば次戦で中堅世界ランカーとのテストマッチが見たい。吉野に挑戦できるのならばベストだが、この試合の結果を踏まえると国内は卒業でもファンからの文句は少ないと思う。
西谷は28戦21勝12KO6敗1分。
今回が初のKO負け。
年末2大ビッグマッチが延期&キャンセルに
うっわ、凄く色々なやる気が失せた(泣
井岡の統一戦はキャンセル
新型コロナのオミクロン株の影響をモロに受けて、キャンセルだよキャンセル。
再セットアップがあるのかも不明ときた。
大晦日が待ち遠しかったのに。
オミクロン株が落ち着いてからで良いから、アンカハス、来日してくれ。お願いだよォ。Sフライ級4団体統一王者、井岡一翔が誕生して欲しい。ロマゴン、エストラーダ、シーサケットに勝てるのかは、ちょっと微妙だけれど。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!!
GGGと村田の試合は春に延期
こちらも悲しい。
ってか損失は大丈夫なのか?
Sフライ級である井岡とアンカハスの統一戦は、まあ、そこまで大きな金が動いているとは思わないけれど、ゴロフキンを日本に呼ぶって相当な金が掛かっている筈だ。
帝拳プロモーションが被った財政的なダメージは決して軽くはないのでは?
アマプラで独占配信するだけあり、Amazonがフォローしてくれるとは思うが。
中谷潤人(M.T)の防衛戦も挑戦者がメキシカン(クリスチャン・ゴンサレス、14勝4KO1敗)なので、こちらも延期だ(泣
吉野と伊藤の試合も、イベントごと延期なので流れそう。井上尚弥の防衛戦に捻じ込めないかな? 無理か。試合が2週間も早まったら減量が間に合わないだろうし。
今日、堀口恭司は逆転KO負けして、ベラトール王座の奪回に失敗するし、良いニュースがないなぁ。逆転とはいっても、ダッキングした後に、堀口がガードルーズになる癖を見抜いてのコンビネーションっぽかったけれど。
.@sergiopettis OUTTA NOWHERE! 😱 😱 😱 😱
— BellatorMMA (@BellatorMMA) December 4, 2021
What a way to end the 2021 Bellator MMA season LIVE on @SHOsports. #Bellator272 pic.twitter.com/g8Kstu4E3v
バックハンドブロー(裏拳)って怖い。いわゆる「返し」に必要となるモーションが必要ないので、予備動作を無視した連撃が可能だ。ミスブローする確率は高いけれど、背中を見せてのスピンなので、インサイドからのカウンターを極めて合わせにくいし。
田中恒成の再起戦はスプリットの僅差判定勝ち
12月11日の試合。
圧倒してのKO勝ちでなければ、2022年内での4階級制覇再チャレンジは厳しいと思っていた。強敵には違いないが、KOできなければ田中に先がない相手だ。
ディフェンス改良を前提としたスタイルチェンジの過程であるので、同格の相手はまだ早かったか。咬ませ犬を相手に、じっくりと実戦で新しい戦い方を馴染ませていく必要があるだろう。
石田は健闘したが、ちょいとパワーレスなのがジャブの(ジャッジへの)印象に響いたか。
ギアが入ったら、結局は「元の田中」に戻ってしまっている印象。まあ、ダイジェストのみの感想だけれど。攻撃は良いんだけど、う~~ん、打ち終わりの防御にはまだまだ課題があるっぽい。そもそもガードを上げて頭を振っていてもパンチもらっている。避けるの下手なのかも。そりゃ、避けるのが上手ければ、右ガードが低くても「最低限オンガードにする」だけでもパンチを防げる理屈なのだが。
圧倒的なフィジカル、プレス、パンチ、ステップイン等で「窮地でも相手を真正面からねじ伏せられた」稀有な才能が、4階級目にきて「相手のサイズアップ」により通用しなくなり、才能頼りだったツケが今になって一気にシワ寄せしている感じだ。
世界再挑戦は2年後の2023年秋~冬かな。
井岡、アンカハス、シーサケット、ロマゴン、エストラーダといった面子に、現状の田中ではとても勝ち目がないだろう。
田中は16勝9KO1敗
石田は29勝15KO3敗
敗戦だった石田は評価は落ちなかった様に思う。世界ランクにも踏みとどまるだろうし、もうワンチャンありそうだ。田中とのリマッチだってあり得るだろう。
勅使河原、2回6秒でKO負け
12月12日の試合。
IBFで世界ランク3位につけてはいたのだが、これまでの試合が全て後楽園ホールで、骨のある外国人と1度も戦っていなかった。
フィリピンの咬ませ犬を4人、他は日本人オンリーという「層が厚いSバンタム級で大丈夫なのか、これ?」ってなキャリアである。日本人ボクサーは強い、なんて真顔で主張するのはアンチ亀田くらいだよ(泣
テストマッチをすっ飛ばして、いきなりタパレス相手にぶつけ本番といった感じ。
ここまでの惨敗はちょっとお目にかかれない。
実質は1回でKOされており、2回が始まって早々、右を貰って轟沈だったもんなぁ。ガードが低いスタイルはそれはそれで構わないが、ピンチに陥ったらクリンチなりガードを固めて頭をつけるなり、まあ、足を使う余力はなかっただろうが、ダメージを被った状態でバカスカとガードルーズで殴られて、いったい何がしたかったんだという。コーナーに追い詰められてから申し訳程度にガードを固めても、すでに遅いだろ。
もう世界戦のチャンスは回って来ない試合内容だ。
仮に再起するのだったら、新型コロナで難しいかもしれないが、もう日本人相手の無駄な試合をしている場合ではないだろう。とにかく海外の中堅どころと経験を積まなければマジでお話にならない。
なお、勅使河原があまりに不甲斐なかったからなのか、IBFの指名挑戦者決定戦の筈が、勝ったタパレスのランキングが9位に、勅使河原のランキングが10位となっている。タパレスの挑戦権は後回しっぽいな、これは。
和毅は左一本で明白な判定勝利
12月12日の試合。
元WBA世界バンタム級暫定王者のパレポを相手に、ユナニマスの判定勝ち。
大差から中差での完勝だったが、山場は作れなかった。
というか、右拳が完治していなかったとは。
11回に攻勢を許したのと、12回は安全運転で逃げに回った点でトータルの印象は悪かった。まあ、まともなダメージングブローは1発も貰っていなかったけれど。
ぶっちゃけ、マススパーみたいな試合。
これだけテクニカルで、かつスピード(特にハンドスピード)を兼ね備えている日本人ボクサーは稀有である。
リーチとパンチの伸びさえあれば。
それか井上尚弥ばりの破壊力。
もう1つ強力な武器(ストロング・ポイント)があれば、凄いボクサーになっていた。バルガス戦でボクシングIQも「?」だったので、次戦でそれを覆せれば。
パンチが想定よりも伸びない=深く入らない、のでパンチで圧をかけたり、相手のプレスをストッピングできない印象である。やりたいボクシングは体現している感はある反面、もう一段階は総合的に上でなければアフマダリエフとは勝負にならなさそう。
しかし右拳が完治して、倒される覚悟で右をカウンターで打ち抜けられれば、アップセットを起こせる可能性はそれなりにあるのでは?
とにもかくにも挑戦権は確保できた。
相性もあるとはいっても、なんだかんだで勅使河原、赤穂、和氣よりはレベルが上だと思う。井上拓真との試合を見てみたいかな。岩佐とはどうだろうか。2階級差があるだけあって、現時点だと田中恒成にも勝てるだろう。
ピークアウトに差し掛かっている可能性も否定できないし、中谷潤人、井岡一翔、井上尚弥といった面子には階級差があっても負けそうなイメージしかないけれど。
アフマダリエフに番狂わせを起こせられれば、WBAとIBFのベルトを入手できるので、主要4団体のベルトをコンプリートだ。善戦ならばともかく仮に惨敗してしまえば世界戦線から脱落なので、和毅の健闘を期待したい。
亀田三兄弟初のKO負けをしても良いから、熱い試合が見たいと思う。
ドネアのKO劇が物語るバンタムとSバンタムの壁
12月12日のメインイベント。
ロマチェンコの試合は個別記事にする。
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暫定王者のレイマート・ガバリョ(フィリピン)に4回2分59秒でKO勝ち。
ガバリョは初黒星で24勝20KO1敗。
井上尚弥VSドネアⅡが実現に近づいたのは嬉しい――が、井上尚弥がドネアをKOで完勝できないのならばSバンタム進出はちょっと危ないかも。
この結果からすると、バンタムとSバンタムの差は大きいのだろう。
ルイス・ネリもあっさりと階級差の影響でフィゲロアにKOされたし。バンタムの時は強打者だったのに、Sバンタムでは並み程度のパワーだったもんなぁ。
ドネアがバンタムで凄いのは理解できる反面、ドネアがSバンタムでフルトンとアフマダリエフに勝てない事も明白だ。なにしろ過去にドネアはSバンタムで彼等以下の王者に圧巻といえる試合内容で勝ってはいない。
バスケスJr.、マゼブラ、西岡利晃くらいかな、Sバンタムでの目ぼしい勝利は。
マグダレノに負けているし。まあ、フルトンとアフマダリエフには負けると思う。
個人的には、バンタムで4団体統一を果たした井上尚弥と、Sバンタムで4団体統一を果たしたフルトンかアフマダリエフの「4団体統一王者同士」の対決を見てみたい。
井岡の大晦日の相手は福永亮次に変更
V4戦が中止にならなくて良かった。
相手の福永は15勝14KO4敗
日本タイトル、OPBFタイトル、WBOアジアパシフィック王座と地域3冠を全て手にしての世界挑戦となる。
4敗の内訳は――
デビュー戦で判定負け
6戦目に1回TKO負け
13戦目に判定負け
14戦目にOPBFシルバー王座戦で判定負け
対戦相手の顔ぶれを確認しても、これといった強豪とは戦っていないので、圧倒的に不利だと思う。しかも1月15日の試合をキャンセルして2週間も減量が前倒しになる。ってか、試合決定時から減量がメインの調整だ。
井岡に通じる攻撃力とも思えないし。
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