【真のPFPキング】天才テレンス・クロフォードがショーン・ポーターをKO撃破【WBO世界ウェルター級V5】
さあ、戯れ言《
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この男、ポーターさえもKOする
YouTubeを始めている関係で、リアルタイムでの記事アップが無理になってしまっている。クロフォード有利は動かないだろうし、明白に勝つだろうとは思っていた。でもKOやストップ(TKO)は難しいかな、と。元ウェルター級世界王者(IBFとWBCをそれぞれ防衛1)にして、過去3敗しているがKO負けはないタフガイが、ショーン・ポーターという歴戦の勇者である。だからポーターさえもKOに下した天才に僕は驚愕した。この男こそ、まさしく天才中の天才であろう。真のパウンド・フォー・パウンド・キングはこのクロフォードだ。
11月19日(日本時間11月20日)
会場:米ラスベガス
マンダレイベイ・リゾート&カジノ
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
TKO10回1分21秒
勝利 同級王者
テレンス・クロフォード(34=米)
戦績:38勝(29KO)無敗
VS
敗北 同級2位
ショーン・ポーター(34=米)
戦績:31勝(17KO)4敗1分
※)クロフォードはV5に成功
クロフォードは約1年ぶりの試合
前回の試合で、ケル・ブルックを4回で沈めている。
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このブログでクロフォードを扱ったのはこれだけだ。アミール・カーン戦は「なんだこりゃ」みたいな終わり方だったので書かなかった。いや、クロフォードに非はないのだが。
そういえば忙しくて、ライバルであるエロール・スペンスJr.の記事も2つしか書けていない(判定勝利が続いたのもあったが)。だが、幸いにもポーター戦は記事していた。
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スペンスJr.はポーター戦後に交通事故を起こし、そこから再起(?)、いや復帰して元2階級王者のダニー・ガルシアに判定勝ちしている。あの英雄パッキャオと戦う予定であったが、自身の網膜裂孔で試合が流れてしまった。
27勝21KO無敗
世界戦は――
ケル・ブルックに11回KOでIBF王座獲得
ピーターソンに7回終了TKOでV1
無名の咬ませ犬相手に1回KOでV2
V3戦が――
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世界戦で初の判定(4戦4勝3KO)
で、ポーターに判定勝ちしてWBC王座吸収
5戦5勝3KO
上述したガルシア相手に判定勝ち(3試合連続判定)
6戦6勝3KO
う~~ん、対戦相手の質は申し分ない反面、クロフォードと比較するとなぁ(汗
対比の為にクロフォードの世界戦もまとめよう。
①対リッキー・バーンズ(判定)
WBO世界L級王座獲得
②対ユリオルキス・ガンボア(KO)
WBO王座V1
③対レイムンド・ベルトラン(判定)
WBO王座V2
④対咬ませ犬(KO)
決定戦でWBO世界SL級王座獲得
⑤対咬ませ犬(KO)
WBO王座V1
⑥対咬ませ犬(KO)
WBO王座V2
⑦対ビクトル・ポストル(判定)
WBC王座吸収・WBO王座V3
⑧対咬ませ犬(KO)
WBC王座V1・WBO王座V4
⑨対咬ませ犬(KO)
WBC王座V2・WBO王座V5
⑩対ジュリアス・インドンゴ(KO)
4団体統一・WBC王座V3・WBO王座V6
⑪対ジェフ・ホーン(KO)
WBO世界W級王座獲得
⑫対ホセ・ベナビデス(KO)
WBO王座V1
⑬対アミール・カーン(KO)
WBO王座V2
⑭対咬ませ犬(KO)
WBO王座V3
⑮対ケル・ブルック(KO)
WBO王座V4
⑯対ショーン・ポーター(KO)
WBO王座V5
世界戦16戦16勝13KO無敗
世界戦16戦16勝14KOの井上尚弥(12月に17勝15KOは確実)と比較しても、数字の上では劣っていない。対戦相手の質はLフライ~バンタムの井上では太刀打ちできないレベルだ。ナルバエスとドネアくらいだし、評価を得られる対戦相手は。
ケル・ブルックとポーターを連続KOは素晴らしいの一言に尽きる。
カネロといい、クロフォードといい、市場価値が高いボクサーは対戦相手も相応のマネーが得られるから好カードを組むのが容易い。カネロと戦ったプラントが約11億円でポーターが最低保証4億5千万円である。もしもカシメロに1億円を支払えるだけの市場価値が井上にあれば、とっくの前にWBO王座は吸収しているのだが。
ウェルターに上げてから6戦6KO
スペンスJr.との対戦が実現しなければ、Sウェルターに階級アップかもって話だ。
スケジュールにもよるが、スペンスJr.が次戦でWBAスーパー王者のヨルデニス・ウガスとの3団体統一戦に勝利した後、クロフォードとの試合に応じれば、歴史上で唯一無二になるであろう2階級での主要4団体統一王者が誕生する可能性が高い。
懸念材料は34歳という年だけか。
ピークアウトが近づいているのは間違いないだろう。打たれていないとはいえ、残された(全盛期の)時間は2~3年くらいと見るが、果たして。
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試合内容を振り返る
第1ラウンドはオーソドックスでスタートしたクロフォードに対し、ポーターは好調にアタックを仕掛けていた。
しかし次のラウンドからクロフォードはサウスポーにスイッチ。右構えはペースを相手に取られると判断すると、すぐに構えを変えて相手のアジャストを防ぎ、自身のペースを作り直す。スイッチヒッターの強みだ。
序盤は「これぞポーター」という試合。
でもクロフォードは手を焼きつつも、的確な左右への動きと右リードがしっかりと機能していた。中盤以降は、ポーターの入り際にカウンターを合わせる様に。
後半にいくにつれてクロフォードがポーターをコントロールして、試合を支配している雰囲気が濃厚になる。
互いに持ち味を活かしつつ、攻防一体であったり攻守が目まぐるしく入れ替わったりで、とにかくハイレベル。そしてキレッキレでスピーディだ。
カネロの試合が「ファイトプランを忠実に遂行して勝つ」印象ならば、クロフォードは本当に「天才がスキルとセンスを発揮して相手を上回る」というイメージだ。スイッチヒッターなのも含めて、こういうのを「真の天才」と呼ぶべきだろう。
第9ラウンドまでのスコアは、1ポイント差が2人、3ポイント差が1人でユナニマスでクロフォードであったが、それだけ競った試合内容であった。
決着は第10ラウンド—―
最初のダウン、ダッキングを読んでそこにカウンターを合わせている。
💥CRAWFORD KOs PORTER💥@terencecrawford did what no-one has done before and stopped Shawn Porter in the tenth round🤯 #CrawfordPorter
— Sky Sports Boxing (@SkySportsBoxing) November 21, 2021
🥊@trboxing pic.twitter.com/K6udwgEv6f
加齢による衰え以外でクロフォードが負けるイメージが湧かないかな、マジで。
スキル的には彼がPFPナンバーワンだ。
ポーターはキャリア初のKO負けをもって、その輝かしいキャリアに終止符を打った。恥ずべき敗戦ではない。勇者の最後に相応しい好ファイトだったのだから。この試合でポーターの価値は1ミリだって落ちなかった。
スペンスJr.との頂上決戦の実現を強く望む。