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【WBOスーパーフライ級/大晦日マカオ】戯れ言――井岡一翔の4階級制覇挑戦について【PFP10位ドニー・ニエテス戦】

【WBOスーパーフライ級/大晦日マカオ】戯れ言――井岡一翔の4階級制覇挑戦について【PFP10位ドニー・ニエテス戦】

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さあ、戯れ言 記事 ゴト を始めようか――

 

 

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11月1日――元3階級王者、井岡一翔(29)の世界戦が発表された。

 

今年の大晦日、マカオでWBO世界Sフライ級王座決定戦に臨む見込みだ。

このWBOタイトルは、前王者である井上尚弥(大橋)が返上したもので、前回の王座決定戦がドローになった為に、空位が続いていた。その為、今年の9月に復帰戦を見事に飾った井岡の1番のターゲットが、このWBOタイトルだろうと目されていた。

 

井岡は現在、JBCのライセンスを所持しておらず、トム・ローファーが率いる【K2プロモーションズ】と契約している。日本のリングに上がれない井岡は、必然的に海外を主戦場にせざるを得ない。

 

ここで井岡の足跡を振り返る。

 

通算戦績は24戦23勝(13KO)1敗である。

世界戦レコードは15戦14勝(8KO)1敗。

 

WBA世界フライ級王座(防衛5⇒返上)

WBA世界Lフライ級王座(防衛3⇒返上)

WBA・WBC世界ミニマム級統一王座

(WBCは防衛3、統一王座は防衛0⇒返上)

 

合計で4本の世界ベルトを獲得している。

唯一の敗戦はIBFフライ級王者、アムナット・ルエンロン(タイ)に挑戦した時のものだ。スコアとしてはスプリット・デシジョンであったが、明らかな地元採点であり、試合内容は完敗といってよかった。

その敗戦を糧にできたのか、難敵であったファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)からWBAタイトルを奪取して、井岡家悲願の3階級制覇を達成した。V2戦で前王者と再戦したが、KOで退けて完全決着をつけている。

 

幾度となく3階級制覇の壁に阻まれた叔父の弘樹(元2階級王者)とは異なり、戦績(レコード)のみを振り返れば、井岡のボクシングキャリアは順風満帆そのものだ。

正直にいえばレベコとアムナット以外は大した相手と試合していないけど。とはいえ、名のある相手との試合はこれから実現を目指せば良い。

しかし、キャリア的に順風満帆かにみえる井岡は、アムナット戦での敗北とは異なるカタチで、深刻な挫折を味わっている。

 

その1

Lフライ級王者時代に実現しなかったロマゴンこと、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との試合。

ボクシングファン相手ならば、特に説明は必要ないが、WBAには正規(レギュラー)王座以外にスーパー王座が設けられている。このスーパー王座にも実は2種類あって、統一王座用のスーパー王座と隔離用のスーパー王座に別けられる。

統一王座仕様のスーパー王座は簡単な理屈だ。統一された他団体の指名試合などの都合で、WBA王座を返上されては認定料が入らなくなってしまうので、融通を利かせる為にスーパーに格上げする、という寸法である。その一方で、スーパー王者が免除される通常の指名試合や防衛戦を消化してもらう為の正規(レギュラー)王座を決める。王者は並列する事になるが、スーパー王者のみだとWBAランキングが正常に稼働せず、有力(人気)ランカーが他の世界タイトルを優先させてしまうので、仕方がない。

運営を厳格にして、実力と人気があるスターボクサーに敬遠されてしまうよりも、ファンから批難を浴びようが、実力と人気があるスターボクサーに融通を利かせてタイトルホルダーになって欲しいのである。

それが顕著なカタチとして現れているのが、隔離用のスーパー王座だ。

知名度と人気が今ひとつ(=認定料が低い)で、無駄に実力が高い王者を、スーパー王者という名目で隔離して、WBAがお気に入りの人気ボクサー(=認定料が高い)に、正規王座を獲得してもらいたいという悪い意味での親心だ。

これが更に進んで、人気ボクサーを揃ってWBAチャンプとして抱え込みたいから、同階級に人気ボクサーが競合すると潰し合いが起こる前に、仲良くWBAタイトルを分けあってもらう様にまでなってしまった。スーパー、正規で足りない場合は、暫定王座までサービスする。WBA内での統一戦はできるだけ先延ばしだ。その方が認定料が入るので。できれば団体内統一戦がビッグマッチになるまで、仲良く平行で防衛して欲しいのだ。

酷いケースだと、スーパー王座の防衛戦と正規王座戦、さらに暫定王座決定戦が同じ階級の同一興行で行われるミラクルまで発生してしまった。

また、統一王座の認定料が勿体ないので、せっかく王座を統一してもWBAスーパー以外の王座を返上してしまい、結果的にWBAスーパー単独の王者になったりもする。その場合は至急、団体内統一戦をやるべきなのだが、現実は正規や暫定と並列してしまう。

サービス精神旺盛により世界王座をバーゲンセールし過ぎた弊害で、ついにJBCはWBA暫定を世界タイトルとは認めなくなってしまう。ちなみに無知なニワカはそこを理解しておらず、WBC暫定まで同じと誤解している。

そんな経緯で、JBC管轄下のボクサーがWBAから暫定タイトルの打診を受けても、日本国内でタイトル戦を行えないので、海外でタイトル戦をする必要がある。しかも海外で獲得しても、JBCの記録では世界王者にカウントされない。タイでWBAフライ級暫定を獲得した江藤が、JBCでは世界王者扱いされていないのには、こういった経緯がある。可哀相な話だと思う。

不人気選手が獲得している暫定王座は、WBA的には世界ランク1位扱いだ。

ただし、人気ボクサーが保持している暫定王座は立派な世界王座、とWBAは素晴らしいダブルスタンダードをみせてくれている。

 

で、井岡が獲得したWBAタイトルは正規王座で、スーパー王座にはロマゴンがいた。

 

より正確には、ロマゴンが『おそらくは政治力によって』スーパーに格上げされ、それに伴った正規王座決定戦に井岡が臨んだ。

Lフライ級時代のロマゴンは、まさに無敵の強さを誇っており、当時の井岡では、ほぼ勝ち目はなかっただろう。WBAとしては井岡にもタイトルを獲って欲しかった。よって、後にロマゴンと統一戦をする事を条件に、井岡に正規王座をプレゼントしたのだ。 

井岡本人の意向は不明だ。

試合を決めるのは陣営でありプロモーターなのだから。ぶっちゃけ、本人が戦いたいと強く願っても本人がマッチメークするわけではない。海外のスター選手みたいに、プロモーターライセンスを取得して、自分の試合をプロモートできればいいのだが。その逆もあり、本人が負けるから戦いたくないと消極的でも、ジムが試合を組んでしまえば、本人は戦うしかなくなる。逃亡するのには、比喩ではなく本当に試合から逃亡するしかない。逃亡するとJBCのライセンス失効+最悪で損害賠償まで付いてくるが。

経緯(内実)はともかく――井岡陣営(というか父、一法氏)は、ロマゴンとの統一戦を避けた。一説には回避料金まで支払ったと噂されている。スケジュールの関係で、対戦相手に待ち料金を支払って待機してもらうケースはあるが、試合を避ける為にお金を支払うなんて、前代未聞だった。陣営が対戦(団体内の統一戦)を避けるケースがあっても、基本、タイトルを返上して逃亡する。

この逃亡劇が、井岡のキャリアに暗い影を落とす事となった。

そして、現在まで井岡にロマゴンとの対戦はない――というか、ロマゴンがシーサケットに連敗&リマッチでは豪快にKO負けして、商品価値が暴落してしまう。

いまロマゴンとSフライ級で戦えば、井岡が有利かもしれないが、今のロマゴンに勝ったとしても、時すでに遅しである。Sフライでのロマゴンは並の一流以下だ。

 

その2

フライ級王者時代に実現しなかった、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との試合。

レベコを破って獲得したのは正規王座であった。

その時には、統一王座用のスーパー王者が存在しており、WBAスーパー&WBO統一王者にはエストラーダが君臨していたのだ。

で、WBAから井岡に統一戦の指令が。

勝てばWBOタイトルも吸収できるので、井岡にとっては割と美味しい話の筈だ。

逆にエストラーダ的には、正規王者との統一戦はあまり乗り気にならないだろう。せっかくのスーパー王座なのだから、WBOに配慮した防衛戦の方が理に適っている。

これもエストラーダが階級を上げた事が原因で実現しなかった。

エストラーダ戦が消滅した事を切っ掛けに、アンチ井岡は井岡に『逃亡野郎』といった類のレッテルを貼り、それが世間に浸透してしまう。

このフライ級時代から、井岡のボクサーとしての世界(海外)的な実力評価は(知名度は別にして)かなり高くなっていた――反面、日本国内では類をみない不人気というか嫌われボクサーになってしまった。

亀田家は元々からして、ある程度のアンチ(ヒール)路線を意識していたが、井岡は正統派路線として売り出していた筈なのに、正反対のイメージになってしまう。

「唯一無二の存在」「伝説を作る」という発言(パフォーマンス)が、マッチメークの関係で冷笑を浴びる原因にもなっていた。

 

その3

《モンスター》こと井上尚弥の台頭およびブレーク。

ボクシングファンにとっては、井上みたいな特殊な選手と比較してどうするんだ、といったところであるが、ニワカはそうではなかった。井岡に限らず、亀田も同じなのだが、自分達の嫌いなボクサーを『井上と比較して』貶めるのだ。

特にヤフコメは酷い。

井上尚弥と比較したり、井上尚弥を基準に語るのは、WOWOWのエキマを観ている層であり、その舞台で活躍しているボクサーだと思うのだが。

ろくに海外のボクサーを知らずに、パウンド・フォー・パウンド上位の井上を『これが自分達のチャンピオン』などと持ち上げている連中の多くは、ニワカ中のニワカか、生粋のボクシングファンではないだろう。ハッキリいうと不愉快な連中である。

 

その4

父親との金銭トラブル。

ここでは多くは語らないが、金銭トラブルのみならず、マッチメークの方向性も合わなかったんだろう。ボクサーならば多くの者は『強い(評価されている)相手に勝って、自分の方が評価されたい』という欲求があるものだ。

アンチは面白がって、嫌いな選手のマッチメークが不発に終わった時、「逃げた、逃げた」と囃し立てるが、ボクサー本人が逃げたいと思ったら普通に引退する。薄いグローブで頭を殴り合う競技なのだから、強敵から逃げるなんてマインドになったら、それこそリングに上がれなくなるって。

今だと亀田和毅が和氣慎吾との試合を逃げた、とアンチは主張するが、ランキング的に亀田が和氣と試合するメリットって皆無だからね。WBCから暫定王座戦の打診がなく、かつIBFが勝者にタイトルマッチを保証する条件だったら、亀田は普通に和氣と試合していた。というか、たとえ相手が誰であっても。相応のメリットがあればね。

話を井岡と一法氏に戻す。

 

――で、父親と袂を別つ為に井岡は引退。

 

叔父である弘樹氏のジムに移籍させて貰えれば、引退する必要はなかったと思う。

それから結婚は引退の直接的な原因ではないだろう。

一法氏についての噂と、弟である弘樹氏との不仲、そして井岡本人との亀裂。

ボクシングファンならば、割と早い段階で知っていた事だ。

これもヤフコメが見当違いで酷かった。

結婚が引退の原因で、嫁さんの身体に溺れたからだ、なんて名誉毀損まがいのコメントで埋め尽くされていく。タレントとして露出している嫁さんとはいえ、よくぞこんな心ない(しかもデマ)コメントを書けるものだと呆れ返った。

しかも、このデマを書き連ねる品性下劣な連中が、亀田家のパフォーマンスを品格がないとか主張するのだから、どの口がほざくんだって感じだ。少なくとも僕には、亀田家が他人の家庭事情や嫁さんの悪口を言うなんてゲスなパフォーマンスを披露したという記憶はない。

 

そんなこんなで、井岡のボクシング人生は、気が付けばトラブルまみれだった。

だが、井岡はボクシングに戻って来た。

 

引退前のブランクも含めて、約1年5ヶ月ぶりの復帰戦だった。

4階級目となるSフライでの再起。

舞台はアメリカのイベント【SUPER FLY 3】。

相手は、これまでで間違いなく最強の相手、かつ勝利できれば相応の評価と世界ランキングを手に入れられる相手――マックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)。

父親とTBSの元では、望んだ(評価を得られる)相手との試合を組んでくれなかったのだろう。温室路線を超えた過保護路線に最も辟易していたのは、ファンではなく井岡本人だったと想像するのは、そう難しくない事である。マッチメークが原因で、ファンに叩かれて1番悔しかったのも、井岡本人だと思う。

一時的な引退により井岡は父親の管理下から離れられ、JBCには復帰できないが、新たに契約した海外プロモーターの元で、苦しめられていた呪縛から解き放たれた。

フィジカル強化にも取り組んでいた井岡は、上乗せされたアグレッシブさに、持ち味である堅実な試合運びも上手く機能して、難敵アローヨに見事な勝利を収める。

 

この試合で、アンチ井岡は沈黙を強いられ、彼はファンを取り戻した。

何よりもボクシングファンから実力について高い評価を得た。

 

そして冒頭で述べたとおり、アローヨ戦の勝利で世界戦のチャンスを掴む。

空位の王座を争うのは、WBO同級1位――ドニー・ニエテス。

ニワカは単純に王座決定戦を「空き巣狙い」と揶揄して軽んじる傾向があるが、毎度毎度、都合良くチャンピオンに挑戦できる筈がない。

特に、相手を日本に呼ぶ場合は滞在費(チーム全員分)も含めて、それなりに経費がかかってしまう。ノンタイトルで海外の世界ランカーを日本に呼ぶのも同じで、身も蓋もない話をすると、日本人世界ランカーとか日本タイトルマッチ、日本人同士の世界タイトル戦は、相手の日本人のファイトマネーだけで済むので、割と安上がりだったりするのだ。

 

それに王座決定戦だと、高確率でV1戦が指名試合になってしまう。

チャンピオン相手の王座奪取だと、(オプションの関係もあるが)V1戦で選択試合、V2戦で前王者との再戦(指名試合を兼ねるケースも)、V2戦が指名試合でなければ、V3戦で指名試合――という流れが多い。ただし指名挑戦者としてタイトルを奪取した場合はこの限りではないが。

 

ドネアが引いてくれたから事なきを得たが、山中慎介のWBC王座決定戦は「なんじゃそりゃ」ってレベルのインチキだったが、帝拳+WBCという組み合わせだし、余程の事がない限り、王座決定戦は基本的に認定団体側の都合だしね。

で、現在のSフライ級王者の顔ぶれは――

 

WBA王者がカリッド・ヤファイ(イギリス)

戦績は24戦全勝(15KO)

 

WBC王者がシーサケット・ソー・ルンヴィサイ(タイ)

ロマゴンをKOした男。47勝(41KO)4敗1分

パウンド・フォー・パウンド第8位

 

IBF王者がヘルウィン・アンカハス(フィリピン)

井上尚弥から逃亡。30勝(20KO)1敗2分

 

強豪が揃っている。皆、戦績も素晴らしいし。

スケジュールさえ合えば、この内の誰かに挑戦したかったに違いない。シーサケットも最新試合で噛ませ犬相手に不甲斐ない試合をしたし、チャンス充分だろう。

だが、日程の都合上、空位のWBOしか選択肢がなかったのだ。

 

ちなみに、相手のニエテスであるが……

 

 

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ーーーーーーー【リング誌のHPより抜粋】ーーーーーーー

 

 

パウンド・フォー・パウンドで第10位にランクされている強敵だ。

改めて。

ドニー・ニエテス(フィリピン)

戦績:47戦41勝(23KO)1敗5分

第21代IBF世界フライ級王座

第18代WBO世界ライトフライ級王座

第10代WBO世界ミニマム級王座

現WBO世界Sフライ級1位

 

普通に世界レベルで強敵である。

というか、ニエテス相手に明白に勝って4階級制覇を達成できれば、割とこの1試合のみで井上尚弥に評価面で追いつけてしまう

実際、井上はニエテスと同レベルの相手とは対戦していないし。

ナルバエス、マクドネル、パヤノはニエテスより確実に1ランクは落ちる選手だ。仮にWBSSで井上がコケたら、見事に『海外での』立場(評価)は入れ替わるだろう。

 

とはいっても、普通に井岡の不利を予想せざるを得ない相手だ。

4階級制覇というよりもニエテスに勝てれば快挙だ。頑張って欲しいと思う。

 

大晦日――マカオの地での井岡の奮闘に期待したい。

 

 

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