僕は【戯れ記事《ゴト》遣い】

「戯れ言遣い」ならぬ「戯れ記事遣い」を名乗るブロガーです。 雑記系ですが、読んで損したと憤慨されても困ります。 だってコレは「戯れ言」だから――

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【史上最強のバンタム】戯れ言――井上尚弥VSエマヌエル・ロドリゲスについて【IBF王者を2回KO葬】

【史上最強のバンタム】井上尚弥VSエマヌエル・ロドリゲスについて【IBF王者を2回KO葬】

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さあ、戯れ言 記事 ゴト を始めようか――

 

井上対ロドリゲス

引用元――WBSSバンタム級準決勝 井上対ロドリゲス 2回、ロドリゲス(奥)からダウンを奪い拳を突き上げる井上(撮影・滝沢徹郎):日刊スポーツより】

 

5月18日(日本時間19日)

会場:英国・グラスゴー・SSEハイドロ

IBF世界バンタム級タイトルマッチ

(WBSS準決勝)

TKO2回1分19秒

 勝利 挑戦者(WBA正規王者)

    井上尚弥(26=大橋)

    戦績:18勝(16KO)無敗

      VS

 敗北 王者

    エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)

    戦績:19勝(12KO)1敗

 ※)井上はIBF王座獲得、WBA2度目の防衛に成功

   同時に、WBSSの決勝戦に進出決定

   ロドリゲスはIBF王座3度目の防衛に失敗

 

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試合結果が出た。

井上はリング誌認定バンタム級のベルトをも手にした。

この試合はちょっと特殊な形式で行われており、WBA王者とIBF王者の試合であっても、王座統一戦ではなかったりする。何を言っているのか、自分でも分からない。

◆合わせて読みたい◆

ちょっと長い記事なので、要点のみを抜粋する。

 準決勝で井上と当たるのは、IBF王者、エマヌエル・ロドリゲスが濃厚だ。

WBAはスーパー王者がいる場合は、正規王者には統一戦を許可しない(統一後にスーパーに格上げされる為)のだが、今回のWBA正規とIBFでの統一戦は、WBAではどういった扱いになるのか気にはなる。

過去のケースとしては、

①ロドリゲスがIBF王座を返上して、WBA正規のみになる。

 ※)亀田和毅がWBO王座を返上したのは、このケース。

②井上尚弥がWBA正規を返上して、IBF王座のみになる。

③WBSS決勝戦でスーパー王座との統一戦をやる前提での特例発動。

 =WBA正規とIBFでの統一戦。

どの道、決勝でWBAスーパーがかかるので、WBA正規返上でも問題はないが。

 

スーパー王者を差し置いてWBA正規王者は、通常であれば他団体認定の世界王者とは試合ができない慣例だ。しかし、流石はWBAさん、今回の井上尚弥に限り「レギュラー王者でもIBF王者との試合はオッケーだよ。こっちは統一戦扱いにするし、2度目の防衛にカウントするからね」というスタンスを取った。対するIBFさんは「え? WBAさん、いつも通りに剥奪しないの? 井上陣営も返上なし? ロドリゲスも返上しないの? 困ったなぁ。でも統一戦と認めるわけにはいかないから、IBFランク外からの挑戦者扱いだよ。WBA戦とは認めない。通常なら、試合後にどちらかの王座を返上か剥奪になるけど、次戦でWBAスーパーと統一戦やるから、今回だけは目を瞑るからね」

 

抜粋した①②③のどれでもないケースになった。

つまり。

世界戦としてはIBFタイトルマッチ。

ロドリゲスが勝った場合、IBF防衛のみ。

井上が勝った場合、IBF獲得&WBA防衛。

WBA王座に関しては、井上が負けた場合は空位になる。

本来、統一王座なるものは存在しないというか、複数タイトル保持者を統一王者と呼ぶのだが、IBFは井上のWBA正規を無視するという建前。そもそも統一王者を優遇する為のWBAスーパー王座だったりする。そしてIBFはWBAとは違い、統一王者を優遇(スーパー王者を設定)していない。まあ、WBAスーパーにも2通りあって、統一戦仕様のスーパー設置と、不人気王者を隔離して正規王者を優遇する為のスーパーへの島流しという二枚舌制度なのだが。

 

この奇妙かつヘンテコリンなIBF世界戦の結果――

どう考えてもWBA&IBFの統一王者でしかないが、IBFは統一王者とは認めないという、史上初となるWBA王者&IBF王者の「非」統一2団体王者なる、意味不明な複数タイトル保持者が爆誕した。

 

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過去最強の相手、ロドリゲス

これは間違いない。

ネームバリューと実績ではナルバエスとパヤノには劣るかもしれないが、ロドリゲスは井上と同年代で、これから実績を積み上げていくボクサーだ。

無敗で現役の世界王者、かつ対戦相手の質も悪くないときている。

試合内容でも確かに高いレベルの実力が窺え、井上陣営が「過去最強の敵」と認めている。現時点のバンタムで、ロドリゲスより明白に上の相手は、ルイス・ネリただ1人だろう。 

ただし世界戦でのキャリアでは両者に大きな差がある。

井上の12戦と比べて、ロドリゲスは3戦。しかし井上はバンタムでは2戦(しかも計2ラウンド)を消化したのみなので、そこは井上有利の材料とはいえないかも。

井上の苦戦予想

ちょっとこれまでの対戦相手とは格というか事情が異なる。

アンチが口にしていた「全盛期を過ぎているロートル」が相手ではない。そのロートル呼ばわりされたナルバエスとパヤノも全く衰えていなかったのが、後の試合で判明するが。半病人だったマクドネルに関しては、あの非常識な減量とリバウンドは超特殊なケースなので、僕には正直よく分からない(苦笑

井上陣営、特に大橋会長は「長いラウンドの技術戦を想定」と言っていた。

僕も早いラウンドでの決着はないのではと思っていた。

豪快なKOを喜び玄人好みの展開を嫌うニワカの井上ファン以外――ボクオタ達の間では、井上の負けはないだろうが、ひょっとしたら判定決着もあるかも、という予想も立っていた。加えて強すぎるが故に、井上尚弥には試されていない部分も未だ多い。

総括すると、ロドリゲスはそれだけの相手だったのである。

というか、ナルバエス、マクドネル、パヤノ、ロドリゲスといったレベルの相手と次々戦った(そして勝利した)ボクサー自体、日本ボクシング界には井上以外は存在していなかったりする。辛辣にいえば雑魚狩り引き籠もり王者のオンパレードだ。

比較対象に出して申し訳ないが、山中慎介⇒世界戦で名のある勝ち星はモレノのみ。長谷川穂積⇒世界戦で名のある勝ち星はウィラポンのみ。世界戦で10勝以上しておいて、こんな状態なのが日本ボクシング界の現状なのだ。

 

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確かに強かったロドリゲス

試合を振り返る。ファーストラウンドは見応え充分だった。

大きく、速く、テクニカル。

その体格で井上を押し込み、プレッシャーを掛け、ロープに追い詰める場面も。

多彩な左ブローはキレのみならずパワーも窺わせていた。右が井上を強襲するシーンもあり、「これは本当に強いな」とニワカであっても肌で感じただろう。

 

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対する井上は、やや固さと大振りが目立っていた。

スピード負けはしていなかったものの、時折シャープな左をもらっていた。

ただし、単発だが披露していた左パワーショットは、やはり規格外だ。

ラウンド終了間際には、ロドリゲスのタイミングを早くも学習し終えた雰囲気が。

爆発し火を吹いたモンスターブロー

KOラウンドとなる2回が始まる。

初回よりも井上は軽快で、固さが消えていた。そして30秒過ぎ――

 

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互いに左フックのビッグショットを豪快に空振りし終えた後、一瞬の膠着状態から右を下に出して(その前にモーションとして左を相手の右の内側に滑り込ませ、スペースを作っている)相手の注意を逸らした井上は、快心の(カウンターとしても機能している)左フックをインサイドからロドリゲスの顎へ――

IBF王者をキャンバスに送り込む。

立ち上がった相手へ、容赦のない詰めで右のボディフックを見舞う。

 

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あっけなく2度目のダウンだ。

いやいやいやいや! これバンタム級の試合だよね!?

破壊力が完全に重量級のそれに近い質なのだが(滝汗

ロドリゲスの表情が全てを物語っている。心の声「いや、ちょっと待った。こういう威力って想定していないんだけど」――完全に心をヘシ折っているではないか。セコンドへ首を振っているのはタオルの拒否だと思われるが、端から見ていると戦意喪失しているかに誤解してしまう。

 

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更に3度目のダウンを追加して、井上はフィニッシュした。

ファーストダウンから電光石火の畳かけで、強敵ロドリゲスを沈めた。

撃沈、まさに完全撃破である。

 

 
 
 
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解説が「アンビリーバブルパンチ(信じられない破壊力)」「ミニ・マイク・タイソン」と大興奮で絶叫していた。

ロドリゲスが相手だと考慮して、これが現時点での井上のベストバウトだろう。

試合後のインタビューを引用。

 「常に平常心で戦う気持ちを持って乗り込んできた。いいパフォーマンスを出せてほっとしている。ロドリゲスも初回プレッシャーをかけてきて、どうなることか自分でも予測できない状態でした。沢山応援してくれて、このグラスゴーで思い出深い1日になりました」談:井上尚弥

素晴らしいパフォーマンスをありがとう、井上尚弥。

そしてお疲れ様でした、ロドリゲスさん。結果は無残で残酷だったけれど、試合内容からして貴方を弱いという人は少ないと思う。本当に強かった。相手が悪かっただけで。

 

――こうして事実上の決勝戦は259秒で幕を閉じた。

 

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もうPFP3位でよくね? これ

対戦相手の質を考えると、1位ロマチェンコ、2位クロフォードは抜けないだろう。しかし、その他のPFP上位を抜き去って、井上尚弥がPFP3位で良いと思う。

少なくとも僕個人としては、“モンスター”井上尚弥がPFP3位だ。

 

WBSSは事実上、終わった。

残りはドネアとの消化試合のみである。全盛期ならばともかく、今の(ピークアウトしている)ドネアってバーネット、テテ、ロドリゲスよりも確実に弱い。妄想や予想でなくて実際にバーネットにラッキー勝ちしただけだし。

苦戦すら許されない(評価を下げる)でしょう、今のドネアを相手にすると。

井上はバンタム級で残り何試合するのだろうか? 

残る強敵はネリ、バーネット、テテくらいな気がするが。

Sバンタムに階級を上げたとして、どこまでいけるのか今から非常に楽しみだ。ただ上記した3名を片付けた後のSバンタムがどうなっているのか不透明だが。なにしろ最強と目されていたドグボエが想定外にコケちゃったから。思っていたよりも打たれ弱かったなぁ、ドグボエ。ナバレッテにKOで返り討ちにあうとは。

現Sバンタム王者組――WBA&IBFのローマン、WBCのバルガス、WBC暫定の亀田和毅、WBOのナバレッテの序列はどうなっているのか。現時点だと、ほぼ横一線といった評価だ。バルガスと和毅は対戦決定しているので白黒付くが。

 

ぶっちゃけ、ドネアとの試合は微塵も楽しみではないが、取りこぼす事なく優勝を飾り、アリ・トロフィーとWBAスーパー王座を吸収してもらいたい。

これで世界戦13戦13勝12KO無敗

WBC世界Lフライ級王座

WBO世界Sフライ級王座

WBA世界バンタム級王座

IBF世界バンタム級王座

リング誌認定バンタム級王座

メジャー4団体全てのベルトを手中に収めた。栄誉あるリング誌のベルトも。

日本が誇る“モンスター”の更なる活躍を、この場末の不人気ブログから祈ろう。 

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