僕は【戯れ記事《ゴト》遣い】

「戯れ言遣い」ならぬ「戯れ記事遣い」を名乗るブロガーです。 雑記系ですが、読んで損したと憤慨されても困ります。 だってコレは「戯れ言」だから――

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難解な時系列シャッフル&群像劇な作品、アニメ版『淡島百景』について整理してみる

難解な時系列シャッフル&群像劇な作品、アニメ版『淡島百景』について整理してみる

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この記事は2026年06月28日が初アップです

基本的に2度観が必要な作品

青春群像劇というジャンルであるが、厄介な事に時系列がシャッフルされている。

さらには結婚による姓の変化および本名とは別の芸名の存在が、視聴者を無駄に混乱させるのだ。そもそも年月日がぼかされているという不親切さ。意図が分からない。

公式HPで人物相関図を明かしていくスタイルとなっているが、周回視聴を前提としている不親切な設計になっていると思う。

簡単に時代を明記して分類していく

中学⇒淡島(高校的な専門学校で予科生から本科生、そして淡島劇団へ)

淡島受験で浪人する者も存在する。

淡島劇団を退団して、それぞれの芸能分野に進む者も多数。基本的にこの進路がベースになっていると理解してから視聴するべきだ。要は一般的な高校生活とは違う。

第1話「田畑若菜/竹原絹枝」

●若葉学生時代(過去:絹江の中学時代)

予備知識なしでこの第1話を視聴すると、普通に「若葉が主人公で絹枝がサブ主人公」だと多くの視聴者が認識するだろう。

実際、最終的にはフリーライターとして活躍している30代(下手すればアラフォーだが)の若葉が『淡島イジメ暴露風本』を出版、そしてその本が淡島劇団によって舞台化する――というメタ的なオチで全ての時系列は収束し、締められている。

そしてサブ主人公的な印象であった絹枝は、女優・小鳥遊 陽として大成した。

この第1話は、そんな彼女たちの淡島学生時代を切り取っている。若葉の入学時をスタートとして。かつ、絹枝の過去にも触れるが、この時点で複雑な時系列シャッフルがあるとは、視聴者は想像できないだろう。そして、絹枝の旧友に位置する上田良子は、後に登場する小鳥遊紗羅の叔母だ。絹枝の芸名:小鳥遊 陽と「小鳥遊」繋がりというネタで話が作られる。まあ、良子と沙羅の血縁に意味はほぼ無いのだが。

第2話「岡部絵美/伊吹桂子/田畑若菜」

●若葉学生時代(過去:桂子学生時代)

いきなり若葉と関係ない話が始まりビビる。原作知らない人は混乱だ。

しかも話が暗い。故人を扱っているし。

悦子という初登場のオバサン(絹枝の叔母)が語り部となり、キーパーソンである「岡部絵美の過去(桂子学生時代)と逝去(若葉学生時代より前)」について描かれるのだ。

で、淡島学生時代の桂子は「岡部絵美という才能」をイジメによって淡島から排除した後、卒業した後は女優として成功できずに、教師として淡路に戻ってくる。そして11話の「最も後の時系列」において、その生涯を未婚の独居老人教師として終えた。

まさか悪役っぽい桂子が、この作品で軸になる存在とは誰も思わないだろう。

第3話「伊吹桂子/その母と祖母」

●若葉学生時代(過去:桂子の人生)

ぶっちゃけ、桂子という人間のルーツを説明する回。

桂子の母であるルリ子の視点がメイン。

どうして桂子が歪んでしまったのか、というのが明かされるのだが、主人公と思われていた若葉がすっかり脇役と化しており、ここで視聴を断念する者も多かっただろう。序盤の3話で「物語の軸と目的」が理解しにくいのは割と致命傷だ。

実は「裏主人子は桂子」であり、この作品の主題の1つは桂子の人生史なんだ、とこの時点で気が付けられた視聴者がいれば大したものである。

第4話「四方木田かよ/山県沙織」

●若葉学生時代

山県沙織、四方木田かよ、武内実花子といった面子のエピソードが入る。

彼女たちの淡島学生時代は、当然ながら若葉の淡島学生時代より世代が前だ。

このエピソードは若葉たちが淡島女優になる前の淡島劇団を示している。冷静に振り返すと、この3人は大筋には不要だと思う。

第5話「大久保あさ美/浅香みどり」

●若葉学生時代⇒現代(桂子の死の前)

ここが最初の時系列シャッフルで混乱する箇所だと思われる。

前半は若葉学生時代と同年代の話であるのだが、浅香みどり(芸名:浅上レオ)の物語となり時間の流れが分かり難くなった。学生時代を経た浅香みどりが女優「浅上レオ」として憧れのスター・司 玲於奈とラストで対談する時点で、時系列的には現代だ。

第6話「竹原絹枝/伊吹桂子」

●若葉学生時代

人間関係の掘り下げ回。

まあ、折り返し直前だし、こういうエピソードもね。

第7話「四方木田かよ/山県沙織/武内実花子」

●若葉学生時代

彼女たち3人メインのサブエピソード。

この話もナーフ可能だ。

第8話「小鳥遊紗羅」

●沙羅学生時代

ここからが現代という区切りになる。

すっかり影が薄くなった若葉はすでに卒業しており、新しい世代に移っていると明示されたが、真主人公っぽい沙羅は主人公級とは言えないキャラであった。

なお、沙羅は上田良子の姪に当たる。良子は竹原絹枝(小鳥遊 陽)の旧友。

そして、竹原絹枝が女優・小鳥遊 陽として大成しているのだが、初見だと気が付かない視聴者もそれなりにいるだろう。EDキャストも絹枝名義のみだし。

第9話「小鳥遊紗羅/田畑若菜/伊吹桂子」

●沙羅学生時代(過去:若葉学生時代)

卒業生の若葉が沙羅世代の最初の学園祭のゲストとして登壇する。

新旧主人公の邂逅、そして変わらず教師でいる桂子と若葉の再会。

それとオマケ的に柏原明穂(若葉の後輩ルームメイト)が語られる。俳優と舞台女優の一人娘というサラブレッドだったが、両親のW不倫でとばっちりを受けるという話。

ここまで視聴して、ようやく本作のテイストと真意に気が付く。

第10話「田畑若菜/長谷川慎爾」

●現代

若葉がライターとして長谷川慎爾を取材する話。

そして淡島を受験するスクール生の話と、ラストに向けて絵美と桂子のおさらい。

第11話「田畑若菜/伊吹桂子」

●現代=最も後ろの時間

第10話より更に時が流れており、年老いた桂子は死が迫っていた。

死に間際、桂子は若葉に「己の過ち(絵美の件)」を打ち明けて、それを可能ならば本にして欲しいと依頼する。絵美の遺族に面会した若葉は、その話を世間に公表する許可を得て、一冊の本として出版した。そして桂子は他界。その葬儀にて、若葉は絹枝と会話する。その本の出版にて担当編集となった柳原加代子は沙羅の先輩ルームメイトに当たる卒業生。加代子が20代半ばと想定しても、若葉は30代半ば~アラフォーになる。

最終12話「淡島百景」

最後は淡島劇団によって若葉の本が舞台化される、という締め。

演出として岡部絵美の過去がザッピングされていたが、新事実はなし。

もう少し原作を練り込めたかな、という印象

リアル寄りと言えばそれまでなのだが、整理した後に俯瞰すると人物の関連性が薄い。

独立エピソードにての「使い捨て」という印象のキャラが多いと感じた。

時系列シャッフルは有効な表現方法であった反面、不必要なシャッフルと贅肉的なエピソードも散見されるという印象が残る。無駄を削ぎ、2時間映画でまとめた方が良いと思った。

 

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