【オワコン】YouTube等にブログのPVが奪われている件について【時代は動画】
さあ、今日も戯れ言《
新型コロナ禍による心理の変化
YouTubeブームのブースト
「ニューノーマル(新様式な日常)」的な造語に代表される様に、新型コロナウィルス(の世界的パンデミック)による影響で、人々の生活は少なくない変化を要求されてしまった。
TV等のメディアは「3密」を避ける為に制作体制が制限をかけられ、スポーツや芸能ライブ等の大規模イベントは多大なるダメージを被っている。飲食業界、旅行会社も非常に厳しい状況に置かれたままだ。働き方も大企業や一流企業は、リモートワーク(テレワーク)を積極的に導入し、成果主義へとシフトする傾向が強い。二流以下の企業はリモートワークの定着および成果主義の導入は無理っぽいが(苦笑
そんな中――人々によるYouTubeの総再生時間は伸びている。
世の中が「不要不急の外出を控える」という自粛マインドという事もあり、人々が自宅内でPCおよびスマホの画面に向き合う時間が増えた。
一般人、芸能人、有名人という枠組みに関係なく、この「新型コロナ禍」期間にYouTuberデビューする者が爆発的に増えている。むろん(相対的に見ると)大半は収益化ラインに届かずに撤退するという厳しい現実にぶつかるのだが、それなり以上に伸びて、かなりの総視聴回数と総視聴時間を獲得するチャンネルも出現してくる。
収益化するチャンネルが1つ誕生する=最低でも7千時間は視聴されている、だ。
ビッグデータとか細かい統計を取るまでもなく、これだけYouTuberが増えて収益化されているという事は、それだけ人々の可消費時間が「YouTube視聴に消えてる」事に他ならない。
その代価として、当然ながら他の(事柄に対しての)可消費時間が減っている。
人々の可消費時間が減っていると感じている分野の1つに、ブログがある。
ブログのPVよりもブロガーが減った
2020年5月に実施されたGoogleのコアアップデートにより、個人ブログのSEOは壊滅したとの認識が広まった。検索エンジンが優先するのは公式サイト・企業サイトであり、個人サイトを検索上位にもっていくのが、非常に困難な状況のままだ。
とはいっても、企業(公式)サイト>個人サイト(ブログ)は不変ではないと思う。
個人ブログが激減して、結果として検索して出てくるのが企業系の公式ばかりになると、公式以外の情報を求めるユーザーのニーズを満たせなくなる。検索しても公式情報や企業サイトしか出てこないとか、公式側にとってもかなり笑えない状況であろう。
後のコアアップデート(実は5月から9月終わりまで1度も行われていない)で、一部の個人サイトが企業(公式)サイトと同等以上の検索順位に上がる様に「揺り戻し(バランス調整)」が来ると予想している。少なくとも、検索後に企業(公式)サイトを避けて閲覧するユーザーに対しては、個人ブログを優先して表示する程度の調整はされる筈。ただしブラックハット的な手法および運営履歴が短い(数年単位に満たない)ブログは、権威性の観点から弾かれるであろう。
現在、真に問題だと感じているのは、企業(公式)サイトと個人ブログのPV格差や検索順位の優先度ではない。
もっとマクロな視点で、ブログのPVとYouTube視聴回数のメディア間格差である。
ブログだと1日のPVが1万(月間30万PV)に達すれば、そこそこのレベルだと評価されるのに対して、YouTubeで1日1万回数という視聴は「収益としてはお話にならない」というレベルだ。
検索方法も、以前ならばGoogleで検索していたのだが、まずYouTubeのお気に入りチャンネルに入ってからYouTube内で検索するのが主流になっている。ブログに飛んでもらう為には、YouTubeチャンネルのヘッダーや概要欄にリンクを貼るしかないのだ。
それは他のSNS――ツイッター等においても同じ現象が起こっている。今のままだとGoogle検索の需要というか割合は低くなる一方かもしれない。
結果として、多くのブロガーが主戦場をブログからYouTubeに移行した。
その流れは「新型コロナ禍」以前からあったのだが、「新型コロナ禍」によって爆発的に加速したと体感している。ブロガーが減っている。巡回しているブログの更新頻度が減っている。消えるブロガーが以前よりも増えた。
かつてあったブログブームや熱量は、完全にYouTubeに取って代わっている。
ハッキリ言おう。
当の僕もブログを巡回する時間より、ずっと多くの時間をYouTube視聴に消費する様になっているのだ。面白いブログも激減したと感じる。更新頻度が高いブログは、3分以下で読み飛ばして、そして2度と同じ記事に目を通さない日記系だし。
クォリティが高いブログを検索から発見するのは容易でなくなっている上に、質を求めるのならばYouTubeの方が良いかなぁという、そんな時代になってしまった。
新型コロナの影響なのか、検索して有益な情報を漁るよりもYouTubeで面白い動画を眺めている方が良いや、というマインドにも染まってしまっている。
だからブログ記事の更新に対してのモチベーションも低下しているのが本音だ。
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YouTubeブームは続くのか
結論からすると、長いスパン(数年単位)では続かないと思っている。
いずれは「新型コロナ禍」前の水準まで落ち着くだろうし、ブログと同じく隆盛からの衰退を辿るのではないか。
その根拠を述べていこう。
動画制作のコストが高過ぎる
運営経験(期間)が伸びていくのに反比例してブログの記事を更新しにくくなる原因の1つに、SEOを理解すればする程「無駄な記事」「書き捨て記事」を更新(アップ)できなくなる=1記事当たりの制作コスト(時間と労力)が上がっていく、という事が挙げられる。
2時間以内で作成できる日記的な記事ならば、楽に毎日更新可能だ。
しかしそんな記事はSEO的に無意味どころか、マイナスになるのであるが。
ブログの記事に対しYouTubeにアップする動画も、業者に外注するとか分業して動画編集者を用意しない限り、10分の長さの動画で編集に5~6時間は要してしまうだろう。
撮影や企画(台本)作成とは別に5時間以上だ。
「新型コロナ禍」の渦中にあって個人が時間を取れる今ならば、その5時間を捻出できるだろうが、「新型コロナ禍」が収まった後――推定で2022年頃以降、果たしてどれだけの個人YouTuberが動画作成時間およびモチベーションを保ち続けられるか。
大半の者は、ネタ切れ&モチベーション切れで、(専業YouTuberやニートでもない限り)決して短くはない動画作成時間を確保し続けられないと僕は予想する。
高品質化で損益分岐点が高くなる
平均的な動画の質が上がっている。 これは芸能人や有名人が参戦した事、撮影機材が進化している事が原因だ。
無編集動画で視聴者を集められる極一部の有名人を除けば、動画の質をキープあるいは向上する為に撮影・編集を外注したり、チームやスタッフを抱える必要が生じてくる。それに比例して金銭的な制作コストが跳ね上がってしまう。
すなわちダイレクトに収益化に対しての損益分岐点の上昇に繋がるのだ。
全てを己1人でこなせば機材に対する初期投資のみで制作コストは抑えられるが、その場合は、とにかく時間的なコストと気力・集中力を切り売りする羽目になる。前途した様にその状況を長期間キープできる者は限られてくるし、全てを自分のみで生み出した動画に質は求められない。マンネリ化も早く、視聴者に飽きられるまでの期間は短いだろう。
動画コンテンツは飽き早い
文字媒体や画像+文字のブログに比べるとYouTubeというプラットフォームはレイアウトの自由が利かない上に、視聴者は消費に対して100%受け身の姿勢を強要されるので、飽きがくるスパンが早い。
YouTuberも承知しており、飽きられない様に工夫を凝らしたり、新しい企画に挑戦やコラボと頑張っているが、寿命がこない動画コンテンツはないと断言できる。特に出演者が顔出ししている場合はそれが顕著だ。
逆に言えば、顔出ししないゆっくり系の動画などは、扱っている分野のネタが尽きない限り永遠に続けられるかもしれない。
TV番組的に作っているYouTubeチャンネルは、身も蓋もない話、TV番組と同じ様な「打ち切り」という結末が待っている。損益分岐点を意識せずに、純粋に趣味(つまり赤字オンリー)で続けているのでなければ、だ。
AIの動画解析が進化していく
現状におけるYouTubeのAIは大したレベルではないだろう。
視聴者の滞在時間、離脱率、グッドとバッドの割合といった、内容・質ではなく外的要因で「あなたへのお薦め」欄に動画が出現するか否かを決定していると推察される。
むろん開発側も頑張って動画の内容・質そのものを解析できるレベルを目指しているが、誤爆BANGに代表される様に、まだまだ精度は低い。
この段階――ブログブームで、当時のAIにブラックハットが通用した状況に似ている。
ブラックハットが通用した頃のGoogleのAIは、ページの中身を理解できる水準に届いておらず、従ってユーザーの動向、文脈ではなく単純な文字パターンでブログやサイトを評価するしかなかった。
現状のGoogleのAIはページの内容を理解して評価できる水準に達している。
よってブラックハットはマイナスに働く様になった。更新頻度でPVを稼いでもAIは評価してくれず、SEO的には1ページ毎の品質こそが肝要になったのだ。
動画もいずれ、ブログと同じ道を辿るのではないだろうか。
今はかつてのブログと同じく「質よりも更新頻度」=ユーザーの視聴回数と滞在時間が最重要視されているが、AIの進化が一定レベルに達すると、動画そのものの質が問われる時代がやってくる。特に企業のCMを挟む収益化チャンネルに対しては。
視聴回数と滞在時間のみを狙った(内容的に)低品質な動画には、いずれ広告が付かなくなると予想する。そうなると、かなりの割合での淘汰が加速するだろう。趣味で続けているチャンネルは別だと、ここでも繰り返すが。
高額な案件をとれるYouTuberは、また別の話になると付け加えておく。
ブログで収益を上げる道筋は
アドセンス以外のアフィリエイト
正直にぶっちゃけると、分からない。
アフィリエイト(物販)の場合はPV単価が重要になってくるので、1日数千レベルのPVは必要なく、コンバーション率の高いランディングページにSEOやSNSで顧客を誘導すれば良いという理屈は、ド素人でも分かる。
問題は、それを実践できている者がGoogleのコアアップデートおよびYouTubeブームで激減している事だ。多くの物販ブログが更新をストップしている。
僕も微々たる額ならば物販でも成約を取れているので、このまま単純にPVを増加させていけば収益も比例して上がっていく。けれども現状では「ブログでPVを稼ぐのが非常に困難」な時代になってしまった。両ブログ共にデイリーで200PVを割っているという大惨事だ。合計でデイリー300~400PVの割には、アドセンス、アフィリエイト共にクリックされている方ではある。ランディングページに誘導できていないけれど。
夢だが、1日で3万PVあればなぁ。
未だにブログのアフィリエイトで稼げている者も多いだろうが、彼らは決して表に出てこない。僕だってアフィリエイトで稼げているのならば、絶対に口外しないから。
真似されたら自分の取り分が減るので、ノウハウは秘密にするに限る。ブログで稼げていますと宣伝するブログのほとんどは稼げていないと思った方が賢明だ。
ちょっと話はYouTubeに戻るが、YouTubeの場合は模倣がシンプルな為に、同ジャンルで似た様な動画が氾濫しやすいという傾向がブログよりも遥に強い。結果として、動画ジャンルとして飽きられる危険性もかなり高いだろう。
自称貧乏人(ビジネス貧乏)が、自炊した節約飯を食っているという内容だけで収益を上げている人気チャンネルがあるが、そのルーティン動画が5年10年と飽きられずに続くとは思えない。仮に視聴者側が入れ替わりつつ付いてきても、作っている方が飽きて耐えられなくなるし。
長距離トラックの運転手が仕事で立ち寄った各地の食堂を紹介(レポート)するYouTubeチャンネルは、本業ありきの副業なので長続きしそうだけれど。
アドセンスで収益を上げる
SEOを棄てて、徹底的に自己ブランディングに専念すれば可能と思われる。
可能ならばYouTubeチャンネルとリンク(平行)させると良いだろう。
検索流入は度外視。
己の知名度のみで勝負。
ブロガーにとっては常識だが、検索流入が少ないという事は狙った品物を売るという正当な収益路線からの撤退に直結する。トラフィックの質など関係なしに、割り切ってとにかくPVのみを追い求めるしかなくなるのだ。
アドセンスはとにかくPV。
一例を挙げると「まりもん」氏になる。
『Marimonちゃんねる』(https://www.youtube.com/channel/UCU8uwL0zF_kw0IZzz1Ifaag)を運営する YouTuberであり、それ以前からブログを運営している「無職・ダメ人間」界隈の有名ブロガーだ。
そのブログのアドレスは――https://musyokuvlog.com/
記事の質は低い。ぶっちゃけ日記がメインで、アフィリエイトはしておらず、貼られている広告はアドセンスのみである。
全盛期はYouTubeとブログのアドセンス合計で20万円以上あったとの事で、収益が減っている現在(2020年9月分)の収益でも約10万円あるのだ。
内訳はほぼ半々――このクォリティ(日記メインだから1記事2時間以内で作成と推察)のブログでも月5万円のアドセンス報酬である。
こう言ってしまっては失礼だが「日記ばかりで内容がない」ブログであっても、個人のブランディングに成功して月間数十万クラスのPVがあれば、アドセンスだけでそれなりの収入になるのだ。
まりもん氏ご本人も自覚しているが、自力でのアフィリエイトではなくアドセンス頼りなので、この収益が非常に不安定(Googleのさじ加減1つで終わる)と分かっているけれど。
理想のブログ運営と収益
理想は、まりもん氏の様にブロガーやYouTuberとしての個人のブランディングに成功して、そこからアドセンス依存の収益を脱し、自力でアフィリエイトや案件獲得までコンテンツを伸ばす事であろう。
両ブログ共に検索流入が95パーセントを超える僕に、自分のブランディングなんて夢のまた夢だけど。
現状は厳しい。
Googleアドセンスのホーム画面、Amazonアソシエイトのホーム画面、A8netのホーム画面が収益や成約で彩られていると「やる気」も出てくるのだが。
まあ、新型コロナの影響で世間の話題も乏しいので、以前よりも書く気が起こるネタ(ロングテールで検索流入が見込める件)が少なくなっている、というのもあるけれど。