【機動戦士ガンダム 水星の魔女】感想および考察、各データを更新していくページ【永久保存版】
さあ、今日も戯れ言《
【引用元――機動戦士ガンダム 水星の魔女(原作:矢立肇/富野由悠季/サンライズ、バンダイナムコフィルムワークス/創通/MBS)より抜粋】
『水星の魔女』の独自ワード
● 以下の用語だけは理解してから視聴する様に
・フロント:小惑星を改造した宇宙世紀におけるコロニー
・プラント:フロントに建造された工場
・パーメット:情報伝達・共有する性質・機能がある鉱石
・パーメットリンク:人体に装着または注入されたパーメットと機器・機械側のシステムに組み込まれているパーメットを制御目的のデータリンクさせる事
・データストーム:リンクしているパーメットデータの逆流や悪干渉
・アーシアン:地球居住者
・スペーシアン:宇宙居住者、つまりフロントやプラントに住んでいる
・GUND:パーメットリンク(による感覚制御)を利用した人体補助および宇宙環境適応を目的とした医療技術。人体代替パーツと解釈して問題なし
・GUNDフォーマット:モビルスーツの制御用パーメットリンクにGUNDを使用したシステム。具体的にはパイロットの身体感覚とモビルスーツの動きがGUND義手・義足と同様のリンク可能になる。ガンビットも飛ばせる。ただしパイロットの負荷が膨大
・ガンダム(GUND-ARM):GUNDフォーマットが搭載されたモビルスーツ
・パーメットスコア:GUNDフォーマットとリンクする際のレベルを示す数値。一般人はスコア4でデータストームのパーメットデータ逆流により死亡したり廃人化
・魔女:広義にはガンダム開発に関わった者達という認識。本編ではガンダムを駆るパイロットを指すケースが多い
アンチドート:GUNDフォーマットを無効化する装置。ただしパーメットスコア3までしか抑え込めない(スコア4で突破される)と12話で判明
YouTube動画の内容とリンクしている感想・考察だからな
PROLOGUEからSeason1の感想・考察
全12+1を見終えての総合的な所感
アーシアンとスペーシアンの確執(アーシアンが搾取されている)は強調されているが、両者による全面戦争ではなく企業間戦争およびテロが戦闘のベースになる感じ。全4クールではなく全2クール予定との事なので、あまり風呂敷を広げられないのだろうと思う。好評およびガンプラも売れているので、外伝や続編がある可能性も。
スレッタ・マーキュリーとエルノラ・サマヤの物語としては、全24話で決着がつく筈だ。
Season1を視聴完走した時点で思った点は以下になる。
重要度順から挙げていく。
・《クワイエット・ゼロ》とは?
・安全なガンダムって結局はエアリアルだけ?
・プロスペラ(エルノラ)の真意(復讐)と現在に至った経緯
・エアリアルとガンビット達の謎
・スレッタの正体と誕生した経緯
・ルブリス後継機が造られた組織と場所
・ミオリネの母親が死んだ原因
・デリングはなぜガンダムを認める様に変化したのか
・シャディクの真意と《フォルドの夜明け》との過去
・ペイル社の真意というか目的
学園での決闘システム。株式会社ガンダムの設立。最終話でお披露目のエアリアル改修型。PROLOGUEと本編の年代差を隠し、エリクト=スレッタとミスリード。
主人公が謎に満ちているという設定は、過去のTVシリーズにはなかった試みだ。男性主人公で親に洗脳された謎の存在、では視聴者受けしなかっただろうから、スレッタが女性主人公であるのは必然だった。
人物相関図および各組織解説
Season1の人間関係および組織の相関を動画にしているので、こちらも予備知識として参照して欲しい。この動画で詳しい人間関係を網羅できる、と思う。
ここから各話ごとの感想と考察に入ります
PROLOGUEを見終えた感想
上の動画を作成した時は、まだ『dアニメストア』にアップされていなかった。
故に繰り返し視聴ができずに、情報把握・理解がかなり浅い。勘違い・間違いもあるが、あらすじの解釈に問題はないだろう。
学園ガンダムと予備知識を与えられた中で、このヘビーな内容は衝撃であった。
要は父親と仲間を理不尽に虐殺された復讐を、サマヤ母娘が正体を隠して遂行する物語――と予想させたのだ。
GUND-ARM=ガンダム、GUNDフォーマット、パーメットリンク、アンチドート、パーメットスコア等、僅か1回の視聴では理解は浅いが骨子や概要を把握するのには充分な内容であり、それ故にメディアで発表されている約12年後(実際は21年後だった)の未来との差異に唸らされた。逆に言えば「これぞガンダム」だ。
名作の予感、バリバリである。
誕生日の歌が『水星の魔女』という作品でキーになる歌だなんて、この時点では予想すらできなかったなぁ。
第1話を見終えた感想
衝撃の引きだったなぁ、と(笑
同性婚で主人公が花婿ですか、そうですか。この後の人間関係の変化はこの時点では予想できる筈もない。特にグエル。ここまで嫌な奴も珍しいくらいなヘイト役に徹していた。
12~13年後にしては「デリングが老け過ぎでは?」という指摘もチラホラ。
冷静に振り返ってみると、サリウスとヴィムの方が12~13年経過では老け過ぎである。ヴィムはPROLOGUE時に25歳だとすると、あの外見で40前だからオッサン化し過ぎだ。46歳くらいと考えると、まあ、納得の外見。
導入は満点に近い。
まあ、PROLOGUEが真の導入だが。
決闘制度、ミオリネの婿、同性婚が認められている等と色々カッ飛ばしていた。
PROLOGUEと「ゆりかごの星」がなければ、明るいラノベ風な学園ガンダムだと錯覚してしまう程に。エアリアル無双も披露したし、次回がひたすら楽しみな第1話だった。
第2話を見終えた感想
第2話にして、戦闘がない回となる。
というか、Season1全12にてエアリアルの戦闘は5回である。しかも5回目は改修型のお披露目という。旧エアリアルの出番は4回で終わり。回数的にはやや不満だ。
カテドラルによる査問会――母体であるモビルスーツ開発評議会も存続している筈だが、描画がなかった事を考えるとベネリットグループ上層部の会議が実質的なソレである可能性が高い。というか、御三家と他一部のトップ会談の決定が強いのだろう。
第2話の時点で、プロスペラ=エルノラだと惜しげもなく視聴者に暴露。
右腕のGUND義手的に、別人だというフェイクは無意味である。別人を疑う視聴者も存在していたが、仮にプロスペラがエルノラでなければPROLOGUEの意味がなくなるだと、小一時間説教したい心境である。
逆にスレッタに関しては違和感がハッキリと。
エリクト・サマヤとしての正体を隠しているにしては明かに不自然である。尋問されていた様子からして、4歳までの記憶を失って「自分はエリクトではなく本当にスレッタ」と思い込んでいるとしか思えない様子。
後に同一人物ではありえないと明かされるのだが。
ダブスタクソ親父なるパワーワードが爆誕した第2話であったが、デリングはヴィムとの対比で「不器用なだけな良い父親」っぽさがプンプンと匂っていた。その事については、差し替えがきかないYouTube動画でも指摘している。
ミオリネが活躍し、プロスペラとデリングという《クワイエット・ゼロ》で裏にて共謀している両者が視聴者の前に登場した第2話であった。
人物作画は早くも崩れがち。
第3話を見終えた感想
この第3話でダリルバルデが登場、というか1回しか出番がなさそうな感じ。
決闘の最後にグエルのびっくりプロポーズが炸裂して話題を呼んだが、この後の展開でグエルが裏主人公ムーブをしていくとは予想できなかった。ネタキャラかと思ったが、EDキャストで3番目なんだよね、グエル。
ガンダム・ファラクトのパイロットであるエラン(実は偽物4号)が、スレッタに対して恋愛的な役割を担うのかなと感じたのだが結果は大ハズレ。
まだまだストーリーは予定調和な範囲というか、視聴者の裏をかいたり意表を突く場面は皆無だ。いや、グエルのプロポーズは除く、だが。
プロポーズの行方は? だけでも十分にインパクトを残せた。
戦闘シーンは流石はガンダムの一言に尽きる。
第4話を見終えた感想
開幕でプロポーズ失敗。
スレッタは進まずに逃げる。
学園を舞台にしている本作だが、基本的にモビルスーツ対モビルスーツの決闘を起こす為の舞台装置になっている。申し訳程度の授業シーンがちょびっとある程度だ。
しかし、この第4話のみ「ガッツリと学園パート」になっている。
実習シーン。
寮生活のテリトリー。
ミオリネの単独生活。
アーシアンへの妨害。
そしてニュース配信による「スペーシアンがアーシアンのデモを、モビルスーツを使用しての鎮圧」という学園外の世界描画。
第3話の盛り上がりから失速したとの評価が多いが、この回は視聴者に必要な情報を提示する為に必要だと強く思う。
この第4話以降、スレッタは地球寮に入るが、まさかこの地球寮メンバーで株式会社を立ち上げる展開になるとは、この時は想像もできなかった。
第5話を見終えた感想
Season1のラスボスはファラクトではないか、と放映前は思っていたのだが「ガンダムが認可される前」なのにファラクトが登場。
エランが強化人士というブーステッドマンである事も示されて、御曹司のグエル、養子だがグラスレー後継者のシャディクとは異なり、選抜パイロットという紹介だったのも納得だ。
動画でも述べているのだが、ベルメリアがエアリアルを「有機的に過ぎる」とコメントしており僕はこの時点でエアリアル=スレッタかな、と思い始めている。
アリヤの占いで「スレッタには父親がいない」と出た。亡くなったとされる父親の遺影やイメージすらなし。ナディムを覚えていないというより、自分をエリクト・サマヤだと思っていない。スレッタがエリクトのクローンならば、確かに父親はいないんだよ。両親の遺伝子を掛け合わせた存在ではなく、エリクトのコピー品なのだから。
エアリアルがスレッタ以外でも《GUND-フォーマット》を起動可能と偽エラン4号が証明する。が、そもそもスレッタはパーメットスコアを上げていない通常のパーメットリンクしかしていないのだが。
で、グエルが良い味を出していた。
スレッタの涙に怒り、偽エラン4号に喧嘩を売る。ここでファラクトが撃破されるわけにはいかないので、当たり前だがグエルは敗ける。しかしダリルバルデではなくディランザでの敗北なので、そんなにイメージは悪くない。
ガンダムである事を隠す気もない戦いぶりというか、堂々と「ガンダムに勝てるのはガンダムだけ」とかぶっちゃけていた。冷静に考えると次週で決闘になる前に、第2話同様にフロント管理者に逮捕される筈だが、それだとエアリアル対ファラクトが実現しなくなるので、ご都合主義オッケーである。
第6話を見終えた感想
エランが偽物4号で使い捨て、とショッキングな事実。
真エランも登場し、どうやら彼はVIPな立場と推察できる。単純に御曹司としない為のペイル社CEO4人体制なのだろう。若い投資家で大株主かも?
アバンでPROLOGUEが21年前だとベルメリアが発言。
プロスペラはスレッタではなくエアリアルを娘と発言。
まあ、そういう事だよね、という。
スレッタ=エリクトだと違和感が多過ぎる描画がどんどん増えていっていたし。
エアリアル対ファラクトは興味深い決着に。
まさかガンビットそれぞれに人格が宿っている(明らかに子供のそれ)とは。実にオカルトな機体だ。「いつもより声が聞こえる」とか言っちゃってるスレッタは、視聴者からすればイッちゃっている子である。
いい話で〆かとフェイントをかけておいて、最後はガンダムらしいエグさ。
グエルのキャンプで和んでいた多くの視聴者を凍り付かせた。
第7話を見終えた感想
本当の意味で転機となる回。
ファラクトが遅ればせながら糾弾されるが、まさかこういった返しになるとは。
だが仮に企みが成功し、エアリアルと刺し違えてガンダム開発から撤退したとして、ペイル社には何の利益・メリットがあるのだろう? まあ、どうせ裏でガンダム開発を継続するのだろうけれど。
ダブスタクソ親父が本当は良い父親だったという暴露に、ベルメリアのキャラ、そしていよいよ動き出すゼネリ父養子と、非戦闘回なのに視聴者を飽きさせないジェットコースター。
サリウスの「やはり認めたか、ガンダムを」の台詞から、21年前から現在に至る過程でデリングに何がったのか。娘であるミオリネの存在が彼に大きな影響を落としたのだろうか。亡き妻の葬儀にも葬列していないが、夫婦の絆は12話で明かされる。
そしてプロスペラの本性も剥き出しに。
スレッタへの態度に愛情が見えなく、アッサリと嘘をついていた=騙していた、と悪びれる事なく白状する。《クワイエット・ゼロ》を加味して考えると、スレッタの学園編入は本当に単に利用しているだけ。
そもそも娘を学園に入れるのならば、もっと早いタイミングの方が教育上は適切であり、今の状況で編入させたという事は《クワイエット・ゼロ》の一環に過ぎないのである。
百合云々ではなく、スレッタと対になる「物語の主役」であるミオリネが本格的に動き始めた、この第7話は視聴者に鮮烈な印象を受け付けたと思う。対照的に、スレッタは主人公なのに状況に振り回されてばかりのまま。
第3話を彷彿とさせるスレッタのナイス・リアクションは微笑ましかったが。
第8話を見終えた感想
アーシアン対スペーシアンの全面戦争ではなく、学園がベースとなる企業間戦争になるのだから、主人公陣営が企業を持つのは必要といえば必要だ。
その為の下地として、〇〇寮みたいなチーム分けをしていたと分かる。それとミオリネが一匹狼だったわけも。仮にミオリネ寮があれば、自分の取り巻きだけで起業できてしまう。
結果としてヴァナディースの遺志を継いだのは、皮肉にもヴァナディースを壊滅させたデリングの娘という事に。
ガンダム社PVは面白かった。
何気に2話連続で戦闘がなかったのだが、全12話で戦闘回は1、3、5、6、9、12だから半分か。作画カロリーが半端ないクォリティだから仕方ないだろう。
第9話を見終えた感想
シャディクの想いが切ない回だった。
この決闘にシャディクが勝利していれば、デリング暗殺のテロを決行はしなかった様に思える。ベネリットグループの解体、がどういった目的が行われるのがSeason1時点では謎のままだが。
この4回目の決闘にて、スレッタではなくエアリアルがパーメットスコア6に到達。
エリクトの顔に浮かんだ反応光と同じ青いパーメットの光を放つエアリアルに、プロスペラが涙を流す。やはり彼女にとっては娘=エアリアル=エリクトだ。
通常のガンダムとは異なるっぽいエアリアルに、シャディクと取り巻きガールズ達が畏怖を覚える。だが、大活躍するエアリアルとスレッタであったが、最後は大破に近い損傷を受けてシャディクが駆るミカエリスにやられる寸前――作戦通りに地球寮メンバーの連携で、ミカエリスを狙撃して逆転勝利。
ほぼ大破させないと単なる修理になってしまうから、ここでボロボロにして改修型にしたのは、非常に上手いアイデアだと感心した。
第10話を見終えた感想
穏やかな助走から、クライマックスに向けて一気に加速した回。
シャディクが第9話のまま引っ込まなかったのは、個人的には好印象。このままミオリネ好き好きマンで終わったしまったら拍子抜けである。
グエルがキャンプ生活からフリーターに転身していた。
ヴィムが自分勝手な毒親過ぎて、そりゃそうなるよな、と。逆にデリングは実は不器用なだけの良い父親とハッキリと分かる。表向き悪態を突いているけれど、亡き母親の件を除いてミオリネもほぼ和解している感じ。
それから学園とベネリット上層部以外に登場人物が広がる。
アーシアン側――しかも明らかに日本だ。対スペーシアン組織《フォルドの夜明け》が敵として登場した。その親玉にプリンスと呼ばれるシャディク。彼の内通者であるニカは《フォルドの夜明け》出身と判明。ニカ・ナナウラ(七浦)という名前も納得だ。
OPからしてルブリス・ソーンとルブリス・ウルはデリング側のガンダムかと想像していたのだが、予想に反してデリングを強襲する側であった。
しかもプロスペラとデリングの裏での繋がりを示唆する引き。
正直いってスレッタとミオリネのすれ違いは、主人公の存在感を演出する為の策にしか思えなかった。すれ違いなかったら、スレッタを置いてけぼりにして周りがドンドン進んでいく一方だから。
第11話を見終えた感想
とにもかくにも《クワイエット・ゼロ》なる計画が明かされた衝撃。
スレッタとミオリネの仲直りが早かったのは、ストーリーの本筋ではないから当然といえば当然だ。仲直り⇒ラストで分断⇒12話最後でのアレ、とテンポが良い。
《クワイエット・ゼロ》については、プロスペラからデリングに主導権が移っている。
それがプロスペラが胸に秘めている復讐の罠だと思えてならない。
グエルパパことヴィムはこの時点で死亡フラグがビンビンだった。
再登場したケナンジの様子からして、彼が悪役的にやられる展開はなさそうだ。だとしてら、21年前の悲劇はどういった落とし前になるのか。
ルブリス・ウルとルブリス・ソーンの発進シーンが格好よかったなぁ。
第12話を見終えた感想
ついにSeason1のラストである。
いったん完全な区切りが付くのか、それともSeason2への引きとして終わるのか注目されていたが、答えは後者寄りであった。
エアリアル改修型のお披露目。
その前のスレッタ洗脳完了、グエルの悲劇とガンダムらしさが全開でストーリーがカッ飛んでいく。スレッタとグエルの対比がエグイ。
そして実相としてはとっくに和解しているミオリネとデリング。母親ノートレットの真実を知り、ミオリネのデリングに対する確執はほぼ消えていた。
ラストのフレッシュトマト。
意外でもなんでもなく、最初からスレッタは異様な人物と示唆されていたが、いよいよソレが露わになる。コミュ障にカモフレージュされていたけれど、まあ、元々からして異常な感じに描かれていたので、ついにきたかって感じ。
母親の言われるままに最後は戦闘マシーンとして暴走する予感がヒシヒシと。エアリアル改修型も悪役っぽいフォルムだし。
グエルがスレッタの暴走を止める、と予想しているSeason2、果たしてどうなるのか。